2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540413
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 智彦 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20344301)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80115956)
斉藤 和之 熊本大学, 地球環境フロンティア研究センター・水循環, 研究員 (70419133)
吉兼 隆生 熊本大学, 地球環境フロンティア研究センター・水循環, 研究員 (40392964)
日下 博幸 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10371478)
|
Keywords | 気候変動 / 環境変動 / 水循環 / 地球変動予測 / 梅雨 |
Research Abstract |
平成19年度は、まず梅雨前線の季節進行にともなう北進に内在する経年変動特性を明らかにする(2007年度日本気象学会九州支部大会))。具体的には、梅雨前線活動による降水偏差は、その北進の途上、5月がら6月にかけて偏差極性を反転させる傾向の強いことを見出す。そして6月から7月にかけては、同極偏差を維持し北進する傾向が強いことを見出す。引き続く解析さりこの偏差極性の反転及び持続の物理メカニズムを、北西太平洋における大気大循環の観点より解明する。すなわち、北西太平洋域の大気下層の偏差場は、熱帯域の深い海洋上層混合層に根ざしたENSOに関連する持続性の強い遠隔応答により下層偏差場の上を通過し、梅雨降水偏差を反転させる。6月から7月にかけての北進中は、同極偏差場の上を通過、梅雨降水も同極偏差を持続させるという物理メカニズムを解明する。ここでの発見と物理メカニズムは、梅雨の季節予報の精度向上に貢献する重要な情報となるであろう。 次に従来の研究の多くは、梅雨前線帯は一様に経年変動するとの仮説のもと解析を展開してているが、この点に疑問を呈し、梅雨前線帯の経年変動に内在する東西差異を明らかにする(AGU Fall Meeting 2007)。すなわち梅雨前線帯の経年変動は、東部へ行くほどその周期を長くする傾向があり、西部では2-3年周期変動の卓越、中部では3-4年周期、そして新たに東部で5-6周期変動が卓越していることを明らかにする。そしてこの東部での5-6周期変動の卓越は、遠く北西大西洋に卓越するNAOの5-6年周期変動とユーラシア上空での定在ロスビー波を介し連動している構造を明らにする。なおより詳しい構造、物理メカニズムについては現在、解析中である。
|
Research Products
(7 results)