2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540413
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 智彦 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20344301)
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Keywords | 気候変動 / 環境変動 / 水循環 / 地球変動予測 / 梅雨 / 経年変動 |
Research Abstract |
平成20年度は、平成19年度の継続すなわち「梅雨前線の北進に見られる経年変動特性」(Tomita, T., Western Pacific Geophysics Meeting2008)及び「梅雨前線の経年変動に見られる東西差異」(Yamaura, T., Western Pacific Geophysics Meeting2008)をさらに展開し、実績報告書の〆切には間に合わなかったが、International Journal of Climatologyに投稿する。次に新たな研究として日本付近での梅雨の開始、終息を相当温位の水平勾配より定義し直し、気象庁定義の梅雨入り、梅雨明けと比較検証を行う。後者は日本での降水状況をもとにその他の情報を加味し気象庁職員が定めているので主観の入ることが否めず、前者のより客観的な開始日、終息日と大きく異なることを明らかにする。特に開始日での差異が大きく両者間の相関は低い。そして開始日の経年変動は準2年周期振動によって、終息日のそれはENSOに関連した3-4年周期変動によって支配されていることを明らかにする。開始は太平洋高気圧西部の局所的な変形により、終息は太平洋高気圧北西部のより大きなスケールの変動により修正される(Hashimoto, AGU Fall Meeting2008)。次に梅雨終息の経年変動メカニズムを明らかにするため西部北太平洋モンスーン(WNPSM)の開始の経年変動メカニズムを検証する。両者は太平洋-日本パターンという特有の南北偏差循環パターンを介し連動している。ここではフィリピン沖20°Nの緯線にそって東西に広がるSST偏差の形成がWNPSM開始の遅速をコントロールしていることを明らかにする。このSST偏差形成は表層海洋混合層の浅深と連動して表面熱収支を修正し生じる(Tomita, T., AGU Fall Meeting2008)。
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Research Products
(8 results)