2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540417
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 薫 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90251496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山森 美穂 都留文科大学, 文学部, 講師 (80392728)
冨川 喜弘 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構, 国立極地研究所, プロジェクト研究員 (20435499)
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Keywords | オゾンホール / 物質輸送 / プラネタリー波 / 重力波 / 極渦 / 昭和基地 / ILAS-II |
Research Abstract |
2003年に行った南極昭和基地でのオゾンゾンデ集中観測と同時期の衛星観測(ILAS-II)データを用いて、晩春期のオゾンホール消滅メカニズムに関する解析を行った。極渦崩壊以前にもオゾン層回復が始まることを明らかにすると共に、トレーサー相関法やトラジェクトリ解析により極渦周辺擾乱による極渦内外の物質混合の重要性を示唆する結果を得た(論文準備中)。 2002年に行った南極昭和基地でのラジオゾンデ集中観測データを用いて、重力波の季節特性を調べ他結果、オゾンホールが存在する極渦が安定な時期、および崩壊期に、エネルギー下向きの重力波が多いことがわかった。局所ロスビー数の解析および、ホドグラフ解析による重力波パラメータの推定の結果、これは極渦周辺での自発的調節過程により発生した可能性が高いことが分かった。 2003年南極オゾンホール回復期にオゾンホール内で観測された層状構造について、その特徴や成因を調べた。南極昭和基地、及びNeumayer基地におけるオゾンゾンデデータを用いた解析から、オゾン濃度の低いオゾンホール内の高度14〜19kmに鉛直幅0.4〜1.4kmのオゾン極大層がしばしば現れることがわかった。後方粒跡線を用いた解析により、これらのオゾン極大層は極渦境界領域起源であることが示された。 2003年8月に米国アラスカ州フェアバンクスにおけるゴム気球搭載オゾンゾンデ観測で得られた高度30km付近までのオゾン濃度、温度、水平風速のデータを解析した。まず、鉛直波数スペクトル解析により、オゾンの変動に卓越する鉛直スケールを特定した。次いで、観測された下部成層圏オゾン変動のうち大気重力波によるものの寄与を調べた。鉛直変位によるオゾン変動は観測されたオゾン変動分散の20%程度であり、水平変位の寄与が支配的であることが示された。
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Research Products
(5 results)