2006 Fiscal Year Annual Research Report
南極域における大気中酸素濃度の精密観測を目的とした高精度連続観測システムの開発
Project/Area Number |
17540418
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
森本 真司 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (30270424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 高清 東北大学, 理学研究科, 教授 (30108451)
青木 周司 東北大学, 理学研究科, 教授 (00183129)
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Keywords | 炭素循環 / 温室効果気体 / 酸素濃度 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
大気中の酸素濃度の変動は二酸化炭素濃度変動と密接に関係しているため、酸素濃度をppmvオーダーで精密に観測することによって、地球表層における二酸化炭素収支の研究に新たな拘束条件を供することが可能である。本研究では、市販の小型燃料電池式酸素濃度計に独自の改造を加え、更に可搬型の試料空気導入系とネットワーク透過な制御系を製作することにより、南極・昭和基地に設置が可能な高精度(目標精度0.5ppmv)酸素濃度連続観測システムを開発することが目的である。 本年度は、前年度の成果を元にして、南極・昭和基地に設置が可能な実用型の酸素濃度連続観測システムの設計・製作・試験を開始した。まず、試料大気ハンドリング系に外気をダイヤフラムポンプで吸引するインレット部を付加し、ポンプ内でのダイヤフラムの振動が酸素濃度計内の試料大気圧力を変動させないよう、インレット部分の構造に工夫を加えた。さらに、ppmvオーダーでの酸素濃度測定において誤差要因になる試料空気中の水蒸気を、-90度に冷却したパイレックスガラス製トラップに大気試料を通すことで除去しつつ、大気試料の温度が配管を通過中に大きく変化することによる酸素濃度の変化を最小限に抑える手法を開発した。最後に、酸素濃度連続観測システムを構成するすべての機器類を2つの17インチ標準ラックに収め、各機器間の電磁的および熱的な干渉が測定精度に影響しないことを確認し、本システムの開発を終了した。今後、昭和基地に持ち込むまでの間に連続観測試験を継続実施し、さらに完成度を高める予定である。
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Research Products
(2 results)