2006 Fiscal Year Annual Research Report
音響特性を用いた積雪-大気間の二酸化炭素移動量評価手法の開発
Project/Area Number |
17540421
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小南 靖弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業気象災害研究チーム, 主任研究員 (00370544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 宏太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業気象災害研究チーム, 上席研究員 (30355599)
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Keywords | 積雪 / 二酸化炭素 / CO_2 / 音響 / フラックス / 溶存二酸化炭素 / PCO_2 |
Research Abstract |
平成18年度は記録的な暖冬小雪で、観測サイトである中央農業総合研究センター北陸研究センターにおける積雪日数が12月は7日、1月は8日、2月は5日しかなく、その間の最深積雪も20cmと平年の15%程度しかなかった。このため、実施計画における「積雪-大気間の二酸化炭素移動における風速依存性、および積雪層内のCO_2収支の観測」、「自然積雪の音響減衰係数の測定」については実施することができなかった。 「音響減衰係数と積雪物理諸量との関係の解明」については測定地を妙高山中腹のサイトに移して実施した。積雪の鉛直断面を切り出し、新雪、しまり雪、ざらめ雪について可聴音域1/3オクターブ毎の音響減衰係数を測定するとともに、積雪の密度、含水率、粒径等の測定をおこない、データを蓄積した。「融雪流出水中の溶存二酸化炭素濃度の測定」については、圃場の積雪がほとんどなかったため、妙高山系に流域を持つ関川下流において河川水を1日1回サンプリングして、硫酸暴気法による溶存二酸化炭素濃度の測定をおこなった。その結果、河川水に溶存して移流する全溶存二酸化炭素量は、既往の測定例から推定される流域山林の冬季の土壌呼吸量の1割から数割程度に相当することがあきらかとなった。また、全溶存二酸化炭素量とpH・水温より推定した大気平衡二酸化炭素分圧(PCO2)は融雪初期には大気中二酸化炭素濃度の数倍程度の値を示し、中・下流域においては河川が大気に対する強い二酸化炭素ソースになっている可能性が示唆された。
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