2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早坂 康隆 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10198830)
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Keywords | 舞鶴構造帯 / 舞鶴帯北帯 / 横ずれテクトニクス / CHIME年代 / モナザイト |
Research Abstract |
1)CHIME年代測定法のシステム化:これまで用いてきたEPMA(JEOL-JCMA-733II=JXA-8600相当)に換えて,高感度チャンネルを備えたJXA-8200を用いたウラン・トリウム-全鉛年代測定システムを構築した.これにより,モナザイトのEPMA-Datingが可能になった.一方,ジルコンについてはウランの標準試料の問題から,系統的に約10%程度古い年代が計測されることがわかった. 2)島根県の益田市三葛-広島県吉和地域:圧砕花崗岩から分離されたモナザイトのCHIME年代を測定し,舞鶴帯南帯夜久野岩類中のものと同じく約280Maの年代を得た. 3)岡山県久米地域:幻住寺山クリッペ周辺の地質図をほぼ完成させた.また,境界断層付近の構造解析から,このクリッペが舞鶴構造帯の延長方向と低角度で斜行して上盤側が西へ移動する運動センスを得た.さらに,幻住寺山クリッペの主要な構成岩相である圧砕花崗岩から分離されたジルコンのCHIME年代を測定し,約290Maの年代を得た. 4)京都府舞鶴市西部地域:舞鶴帯北帯の圧砕花崗岩から分離されたモナザイトのCHIME年代を測定し,約470Maの年代を得た. 5)島根県江津地域:変オフィオライト質岩体中の圧砕花崗岩から分離されたモナザイトのCHIME年代を測定し,約275Maの年代を得た.また,この岩体の南部に分布する弱変成の田の原川層が舞鶴層群に対比可能であることが分かった. 以上,平成17年度の成果を総括すると,舞鶴帯を構成する圧砕花崗岩類は広い範囲で約280Ma前後の一致した年代を示すことが分かった.一方,舞鶴帯北帯の花崗岩は南部北上帯の前期古生代花崗岩類と同じ年代を示し,東北日本との関係を示唆する結果となった.
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