2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540436
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早阪 康隆 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (10198830)
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Keywords | 舞鶴構造帯 / 舞鶴帯北帯 / 横ずれテクトニクス / SHRIMP / EPMA Dating / ジルコン / モナザイト |
Research Abstract |
本年度は主に砕屑性ジルコンの年代測定と圧砕花崗岩の地球化学的研究を行い,前年度までに得られていた成果と併せて総括し,以下の結論を得た. 1)九州西部朝地変成岩地域の荷尾杵花崗岩のSHRIMP年代の測定結果と朝地変成岩の変成作用および周辺地質体の地質構造を総括し,西南日本の地体再配列が白亜紀前期に起こったことを明らかにした.この成果を地質学雑誌に投稿した. 2)舞鶴-大江地域の舞鶴帯北帯の圧砕花崗岩類のSHRIMP年代とCHIME年代の測定結果,および,周辺地体の地質構造を総括し,舞鶴北帯がロシア沿海州のハンカ地塊に対比可能であることを明らかにした.このことは舞鶴北帯が約500km右ずれ変移したことを示す.この成果をIsland Arc誌に投稿した. 3)島根県江津地域の変成オフィオライトと弱変成田野原川層がそれぞれ,舞鶴帯の夜久野岩類と舞鶴層群に対比可能であることを明らかにした.また,変成オフィオライト中の圧砕花崗岩が中国・ロシア・北朝鮮の国境沿いのYanbian地域の後変動時A-type花崗岩に対比可能であることを明らかにした.この地域はハンカ地塊と北中国地塊の衝突帯に位置し,上記2)の成果に示される500kmの右ずれ変移をサポートする結果となった. 4)岡山市北部地域舞鶴帯に分布する上部トリアス系金川層の砂岩から分離したジルコンのSHRIMP年代を測定し,前年度に測定したEPMAによる年代分布が後背地解析に利用可能な精度を有していることを確認した.そこで,舞鶴帯中のトリアス系の砕屑性ジルコンの年代分布を総括し,東部地域がハンカ地塊を,西部地域が北中国地塊をそれぞれ後背地に持つと結論した.その転換点は兵庫県西部付近に位置し,このことも上記2)の結果をサポートすると考えた.
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Research Products
(4 results)