2007 Fiscal Year Annual Research Report
東北日本の蝦夷堆積盆における白亜紀-古第三紀古環境変動
Project/Area Number |
17540441
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安藤 寿男 Ibaraki University, 理学部, 教授 (50176020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 准教授 (00250978)
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Keywords | 古環境 / 白亜紀 / 古第三紀 / 蝦夷堆積盆 / 東北日本 / 年代層序 / 地史 / シーケンス層序 |
Research Abstract |
北海道の白亜系-第三系最上部の地層である蝦夷層群三笠層と函淵層を対象に,堆積相・化石相・大型化石層序解析の現地調査を実施した.天塩中川地域の函淵層では,計6層の上方粗粒化・浅海化シーケンスが追跡でき,その形成過程を当時の古地理を考慮して考察した.そして,アンモナイトや浅海生二枚貝などの軟体動物の群集組成と,それらの産出層準の全容を把握した上で,化石の産出様式とそれらのシーケンス層序学的意義も検証することができた.この成果は韓国ソウルで行われた,地質科学国際研究計画(IGCP507)「白亜紀におけるアジアの古気候」の第2回国際シンポジウムで口頭発表し,現在その報告論文を準備中である. 一方,セノマニアンーチューロニアンの浅海相が厚く発達する三笠層については,幾春別川支流上一の沢〜芦別川上流地域で精密シーケンス層序を調べた結果,厚さ20〜100m強の上方粗粒化堆積相累重を示す第4オーダー・シーケンスが計12層も確認でき,さらにそれらは連続する3〜5層で計3枚の第3オーダー・シーケンスをなしている.こうした反復性のシーケンスは北米西部内陸堆積盆でも見いだされており,ユースタシーを反映した堆積様式が蝦夷堆積盆でも確認できたことになる.この成果は三笠市立博物館研究報告に速報的に公表した. 東北日本の白亜系〜古第三系については,三陸海岸北部に分布する上部白亜系久慈層群の堆積相・シーケンス層序および化石相・花粉層序解析のまとめを行った.特に花粉群集組成の地理的・層序的分布特性から推定した古環境変遷復元の成果は,国際誌に投稿したのでその査読に対応した論文改訂作業を行った.
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Research Products
(5 results)