2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
江崎 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60221115)
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Keywords | 古生代 / 中生代 / 礁 / 温室期 / 生態系 / 微生物 / 生物大量絶滅 / 環境変遷 |
Research Abstract |
1.中国安徽省東至・石台・青陽地域に分布する下部オルドビス系(命山層と紅花園層)の現地調査を行い,礁成石灰岩と微生物岩(主としてストロマトライト)の岩相ならびに堆積相変化の検討を行った.古生代前期の温室期における「礁生態系の初期創出過程」に関する基礎的なデータが得られた. 2.古生代中期(デボン紀前期)の礁成石灰岩の構成を,骨格生物(主として層孔虫)と微生物(Rothpletzella,WetheredellaやGirvanellaなど)の「生物学的な相互関係」(競争関係)と,「礁の枠組み構築・破壊・被覆作用」の観点から解析した.生息場の微環境変遷に応答して,卓越する生物相が順次に変化し,礁形成者が遷移(場を自らが改変)していく過程を解明した. 3.中生代最前期(トリアス紀前期)の微生物礁の形成様式を明らかにするために,中国四川省・広西壮族自治区・安徽省・浙江省の下部トリアス系の現地調査を行った.そして,岩相・生層序解析に基づく,ペルム/トリアス系境界の「接触様式」,当該境界前後での「海水準変動」,「生息環境変動」の実態を考察した.ペルム紀末の生物大量絶滅後の温室期における「微生物礁生態系の存立様式」に関する実証的な仮説が得られた. 4.主要な造礁生物であるサンゴ類の生活様式ならびに増殖様式の解明のために,水槽を用いた水理学的アプローチおよび現生サンゴ類の飼育実験を行った.「底質での生活姿勢」ならびに「無性増殖と群体形成・成長様式との関連性」に関する新知見が得られた.あわせて,刺胞動物で代表される造礁生物の「多様性の歴史」の一端が明らかになった.
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Research Products
(5 results)