2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の漸新世〜前期中新世植物群と葉状特性による古気候解析
Project/Area Number |
17540446
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
植村 和彦 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (50000138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 敏弘 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究官 (70392537)
|
Keywords | 層位・古生物学 / 植物化石群 / 古気候 / 漸新世 / 中新世 / 古地理 / 日本海生成 |
Research Abstract |
日本海生成前の漸新世〜前期中新世植物化石群の組成的・時代的変化と葉状特性による陸上古気候の変遷を明らかにし,当時の古地理・古地形の復元を目的に,平成17年度は前期中新世の植物化石群の検討を行った.前期中新世の植物化石群は,その前半(阿仁合型植物群)と後半(台島型植物群)で組成的に大きな差があり,今年度の検討では,以下の成果を得た. 1.台島型の模式植物群とされる,秋田県男鹿半島の台島植物群を再調査し,クス・カシ類を含む52種(28科45属)を認めた.葉状特性から求められる年間平均気温は約14℃である. 2.台島型の準模式植物群とされる秋田県の打当植物群については,秋田大学所蔵標本の再検討から分類学的組成的検討を行っている. 3.太平洋側の阿仁合型から台島型植物群の移行時期を明らかにするため,塩手植物群(台島型)の化石層の年代測定を行い,17.8Maのフィッション・トラック年代を得た. 4.岐阜県可児盆地の阿仁合型植物群の野外調査を実施し,サンショウモ,ハス,スイレンなどの水生植物を含む,原地性群集の解明を行っている.この成果は異地性群集の解釈にあたって,重要な基礎となるものである. 5.長崎県佐世保北方の台島型植物群とされた深月層の化石群を調査し,これが温帯性の阿仁合型植物群と近縁であることが明らかになり,同型植物群分布の最南端の資料が得られた.
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Book] 日本列島の自然史2006
Author(s)
植村和彦ほか(編)
Total Pages
339
Publisher
東海大学出版会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より