2007 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーイオン線による島弧衝突境界下のマグマ起源流体の研究
Project/Area Number |
17540452
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒澤 正紀 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50272141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安間 了 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (70311595)
小松原 哲郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10195852)
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
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Keywords | 水素 / マグマ / メルト包有物 / イオンビーム / 水 / ERDA / 伊豆半島 / フォッサマグナ |
Research Abstract |
本年度は、御坂山地の8〜16Maの火山岩・火砕岩の分布地域の調査を行い、高エネルギーイオン線によるクロム透輝石中のガラス包有物の分析を行った。 御坂山地の高萩町・中道町付近の玄武岩質安山岩〜玄武岩から多量のクロム透輝石斑晶を確認した。いずれも組成累帯が発達し、中心部のクロム透輝石の周囲に普通輝石組成のリムが取り巻く。陽子弾性散乱同時計測法(ERCS)で分析した結果、ガラス包有物の水濃度は2〜4wt.%H20程度である。以前測定した富士川流域の山梨県南部町上佐野の試料については、解析法を再検討した結果、やはり2〜4wt.%H20程度の水濃度であることが分かった。従って、環伊豆地域の衝突現象に関連した岩脈のガラス包有物の水濃度に大きな地域差は無いことが分かった。一方、同じ地域の玄武岩溶岩の普通輝石中のガラス包有物の水濃度は、1〜2wt.%H20程度であることが多く、この濃度は通常の玄武岩斑晶のガラス包有物の水濃度にほぼ等しい。このことから、クロム透輝石の形成は、何らかの過程によって相対的に水が多い条件が作り出されて晶出したことを暗示する。衝突現象による浅部マントルへの水供給との関係を明らかにすることが今後重要となる。
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Research Products
(7 results)