2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540464
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
三澤 啓司 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (70212230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
海田 博司 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (10302811)
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Keywords | 火星隕石 / Rb-Sr / Sm-Nd / 水質変成 / 年代学 / 微量元素 |
Research Abstract |
1)水を使わない手法により、ナクラの研磨薄片を作製し、偏光および反射顕微鏡下で水質変成鉱物の観察をおこなった。やまとナクライト(Y000593,Y000749,Y000802)においては、落下後南極氷床中にとどまっていた間に受けた水質変成の影響が火星における水質変成と重なっていることがより明確になった。 2)水質変成オリビンをYamato000593から分離し、樹脂に埋め、研磨厚片試料を作製した。走査電顕をもちいて水質変成鉱物を観察し、X線分析、透過電顕分析に供する部位を決定した。 3)ユークライトをパイロット試料としてもちい、フランツアイソダイナミックセパレーターによる鉱物分離条件を検討した。 4)ナクライトと同じクレーター起源と考えられているシャシナイト(ChassignyおよびNWA2737)のRb-Sr, Sm-Nd, Ar-Ar同位体年代学分析をおこない、火星のダナイトにおいて水質変成の影響が出ているのかを詳細に検討した。Chassignyについては水質変成の影響がほとんど認められないこと、NWA2737については、地球に落下してからのアルカリ土類元素の汚染が著しいこと、K-Ar系が衝撃により大きく乱されていることがあきらかになった。 5)Lherzolitic shergottiteであるYamato-793605のSm-Nd年代をもとめ、shargottitesにみられる数億年という若い年代が、水質変成によるものかを元素分別、同位体組成から検討した。地球あるいは火星表層での鉛汚染の影響により、lherzolitic shergottitesのPb-Pb年代が岩石の固化年代を示しているか、あるいは水質変成年代を示しているのか、判断できないと結論された。 6)イオンプローブ(SHRIMP II)をもちいて、隕石構成鉱物の微量元素定量分析がおこなえるようになった。
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Research Products
(4 results)