2006 Fiscal Year Annual Research Report
水素畜積グラファイトターゲットのパルスレーザーによるアブレーション
Project/Area Number |
17540468
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂和 洋一 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (70242881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 多津男 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50115581)
田邉 哲朗 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (00029331)
山崎 耕造 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50115648)
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Keywords | レーザーアブレーション / トリチウム除去 / グラファイト / パルスレーザー / トカマク / ダイバータ |
Research Abstract |
ITERや将来のDT核融合炉におけるプラズマ対向材の候補の1つとして有力視されている炭素材料(カーボン)には、多くのトリチウムが蓄積するため、安全性の観点から定期的に除去する必要がある。その方法の1つである、パルスレーザーを用いたアブレーションによるトリチウム除去のためのレーザー照射条件の最適化を目的として、水素放電に曝されたトカマク装置JT-60のグラファイト製ダイバータ板に対して、266nmと1064nmの2つの波長のレーザーを用いてアブレーション実験を行った。 Nd : YAGレーザー(パルス幅20ps、繰り返し10Hz)の4倍高調波(4ω光、波長λ=266nm、エネルギーE_L<3mJ、強度I_L<9x10^<11>W/cm^2)と基本波(ω光、λ=1064nm、E_L<35mJ、I_L<6x10^<12>W/cm2)を集光レンズを用いてグラファイトターゲットに対して0^0の方向から入射し、広いレーザー強度領域にわたってアブレーション特性を計測した。ターゲットから放出されたイオンと脱離ガスの質量分布および可視発光スペクトルを、それぞれ飛行時間型質量分析器(TOFMS)と四重極質量分析器(QMS)および分校器によって計測した。その結果、Cのガス化が起こりC_2分子・C原子からの発光やC_n^+イオンの放出が支配的となる弱いアブレーションの閾値レーザー強度I_<ablation>は4ωとωでほぼ一致した。C原子の電離が起こりC^+,C^<2+>イオンからの発光やC^+イオンの放出が支配的となる強いアブレーション(電離)の閾値レーザー強度I_<ionize>は多光子電離が起きやすい4ωの方が小さくなった。QMSからのH_2信号強度を300ショットまで時間積分することによって求めたアブレーション体積中に含まれるH_2のレーザー照射による脱離率は,4ωの強いアブレーション領域で大きくなり、この領域がトリチウム除去に適していることがわかった。
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Research Products
(5 results)