2005 Fiscal Year Annual Research Report
誘導結合プラズマ支援スパッタ法による透明導電性酸化亜鉛薄膜の作成
Project/Area Number |
17540472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 良信 長崎大学, 工学部, 助教授 (60199817)
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Keywords | 誘導結合プラズマ / スパッタリング / 透明導電膜 / 酸化亜鉛 |
Research Abstract |
平成17年度は、誘導結合プラズマ(ICP)支援プレーナマグネトロン(PM)スパッタプロセスの原理実証に主眼を置き、基板加熱なしの低温成膜条件下で、低抵抗の酸化亜鉛薄膜を形成するための条件探索を、主にターゲット基板間距離と動作気圧を変化させて行った。まず、プレーナマグネトロン陰極にアルミ2%添加酸化亜鉛(AZO)ターゲットを装着し、アルゴンガスを用いて直流スパッタリングを行い、通常方式PMスパッタにおける成膜特性を調査した。ターゲット・基板間距離と動作気圧を変化させて基板面内の膜質の不均一性を調べた結果、ターゲット・基板間距離が近いと、ターゲット侵食領域直上の基板位置で導電率が低下する一方で、基板周辺領域で導電性が向上し、結局導電率の基板面内分布が著しく不均一になることを確認した。一方、ターゲット・基板間距離を大きくすると(等価的に気圧を高くしていくと、導電率の面内均一性が向上するものの、成膜速度が低下することがわかった。以上の確認を行った後、基板とターゲットの間に一巻内部コイルアンテナを設置し、高周波13.56MHzを印加してICPを発生させ、このICPで支援してAZO薄膜をスパッタ成膜し、薄膜特性がどのように変化するか、基板面内不均一性がどのようにどの程度改善されるかを調べた。X線回折の結果、ICPのRF電力を増加すると、(002)単一配向していたものがランダム配向に変化すること、圧力が高いほど結晶粒径が大きくなることがわかった。また、X線光電子分光により、ICPのRF電力には依存せず、常に薄膜中に酸素欠損が生じていることがわかった。光透過率はあまり条件によらず90%以上値が得られた。電気導電率は、動作圧力とICP支援電力の変化に伴い複雑に変化した。基板加熱なし、ポストアニーリング無しで基板温度160℃以下でも、10^<-3>Ωcm台の低抵抗膜が得られることが確認された。
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Research Products
(3 results)