2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素負イオン源プラズマにおける負イオン速度分布のモデリング
Project/Area Number |
17540473
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
畑山 明聖 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10245607)
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Keywords | 水素負イオン / 負イオン源プラズマ / 粒子シミュレーション / エネルギー緩和過程 / 速度分布 / 負イオンビーム / 収束性 |
Research Abstract |
水素負イオン源プラズマにおいて生成される"負"イオンビームは、1)分子イオンや金属負イオンなどの不純物イオンが含まれ難い、2)ビームの収束性が良い、3)被照射物を帯電し難いなど、正イオンビームに比較し、優れた特性を有している。現在、これら優れた特性を積極的に利用し、単結晶半導体基板の製作への応用など、広く産業上への応用展開が期待されている。 上記、2)の負イオンビームの良好な収束性を理解する上で、負イオン源プラズマにおける負イオン速度分布の支配機構の理解と制御は重要な意味を持つ。すなわち、負イオンビームの発散角の下限は、イオン源プラズマ内での負イオン速度分布によって決まる。以上を踏まえ、本研究では、以下の2項目を主要研究課題とする。 1)水素負イオン源プラズマにおける負イオン生成、輸送、消滅過程を総合的に扱える数値シミュレーションモデルの構築 2)水素負イオン源プラズマ内の負イオン速度分布の詳細な解析とその収束性への影響評価 平成17年度においては、特に上記1)に重点をおき、負イオンビーム引き出し孔近傍の電位構造を、背景プラズマ及び負イオン電荷密度及び速度分布と矛盾無く解く、シミュレーションモデル(粒子コード)の開発整備を行った。引き出し孔近傍には、負イオン生成最適化のための横磁場が存在する。この横磁場によるイオンと電子のダイナミックスの差により、負イオンを引き出し孔近傍に向けて加速する正の電位ピークが形成されることを示した。また、負イオンのエネルギー緩和過程に重要な正イオン及び中性粒子との衝突モデルの構築及び上記粒子コードへの導入を進めた。来年度に予定される詳細かつ総合的な負イオン速度分布の解析のためには、計算高速化が必須であり、上記、物理モデルの構築とあわせて、並列計算用PCクラスターの構築を、今年度、ほぼ終了した。
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Research Products
(6 results)