2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山北 佳宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30272008)
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Keywords | 化学物理 / 高性能レーザー / 原子・分子物理 / 量子ビーム / トンネル現象 / 超低温分子 / シュタルク効果 / リュードベリ状態 |
Research Abstract |
1.リュードベリ原子分子の分光と制御 (1)He原子とH_2分子が時間的に変動する不均一電場によって減速され冷却されることのシミュレーションを行った。これらの系のシュタルク効果を計算するプログラムに対し、電磁軌跡計算プログラムを適合させることにより、リュードベリ-シュタルク減速の理論計算と実験装置の設計を行った。これらのシミュレーションにはワークステーションと数値計算ライブラリを用いた。理論解析を元に制御電極を設計し、自作の2セットの高電圧電源からの±10kV程度のパルス電圧を、分子線の並進運動に同期させて交互に印加する方法の理論計算を行った。これらの成果を分子構造総合討論会とレーザー物理国際ワークショップで発表し、日本物理学会誌に解説記事を出版した。 (2)ナノ秒レーザーを用いて真空紫外光を発生させるための装置調整を行った。冷却を企図している小分子の分光実験を行うためには、理論との一致を検証し実験設計を行う上でもとりわけ重要であることがわかった。また、画像観測による光解離分光のための装置を導入し、低温に冷却することのできるパルスノズルの製作を行った。 2.分子の電場による制御 (1)極性分子を電場を用いて制御するため、分子構造の変化に対する分極率変化の計算をLinux計算機を用いて行い、実測結果との比較を行った。その結果、ベンゼン環を含む分子において、ベンゼン環のπ電子と置換基のσ電子が顕著に相互作用する結果を見出し、J.Chem.Phys誌に論文発表を行うと共に、2005環太平洋国際化学会議で英語講演を行った。対象とする分子にハロゲン原子や架橋構造を導入すると、さらに顕著なσ-π相互作用に由来すると分極率変化が得られた。以上の結果を日本化学会で発表する(平成18年3月末)。
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Research Products
(2 results)