2005 Fiscal Year Annual Research Report
テトラフェニルフェニル基を有する配位子による新規分子触媒の開発
Project/Area Number |
17550026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳永 信 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (40301767)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 分子触媒 / 分子認識 / 選択的合成 |
Research Abstract |
剛直な構造をもち、空間的に大きく広がった2',3',4',5'-テトラフェニルフェニル基を有する配位子の機能を見出し明らかにした。この置換基を有するホスフィン系、窒素系、酸素系の配位子を合成し、各種金属と組み合わせ、触媒反応への効果を試した。そこで見つけた新機能を生かして従来にない新反応、高い触媒活性、高い選択性を有する反応を開発した。具体的には、(1)テトラフェニルフェニル基を有する配位子を用いた大きな不斉環境による立体選択性向上効果、(2)テトラフェニルフェニル基を有する配位子による金属凝集抑制効果、(3)テトラフェニルフェニル基の中央のベンゼン近傍に金属中心がくるようにデザインした配位子による特殊な立体的電子的効果、について調べた。例えば、(1)では軸不斉ビフェノール化合物、2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビアリール類のビニルエーテルの不斉加アルコール分解について検討し、テトラフェニルフェニル基を有するジアミン配位子が、有していない配位子に比べて、選択性で約1.3倍、反応性で約2倍向上させる効果があることを見出した。これらの分子は、不斉配位子の原料や生体機能分子として重要でありながら、不斉水素化や不斉アルドール反応などの既知の不斉反応では合成できない物質群である。また、2-ナフトール類の酸化的不斉カップリング反応で、2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフトール類の不斉合成は行えるが、2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビフェノール類は反応性が低いため酸化カップリングには適さず不斉合成が困難な化合物だっただけに、成功の意義は大きいと考えている。
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Research Products
(4 results)