2005 Fiscal Year Annual Research Report
gem-ジフルオロアルケンの連続カチオン環化を基軸とするヘリセン類の系統的合成法
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17550031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 淳士 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70184611)
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Keywords | カルボカチオン / フルオロアルケン / Friedel-Crafts反応 / 縮合環 / 二環式ケトン / ヘリセン / ドミノ環化 / 触媒 |
Research Abstract |
フッ素は、強い電子求引性を持ちながら、その一方で非共有電子対の働きによりα位のカルボカチオンを安定化することができる。こうした興味深い性質を利用して、gem-ジフルオロオレアルケンよりα-フルオロカルボカチオンを位置選択的に発生させ、これを分子内のアリール基で捕捉することを試みた。アリール基を有するgem-ジフルオロアルケンにプロトン酸を作用させると、フッ素を持たないアルケンとは異なり、α位のフッ素で安定化された末端カルボカチオンが発生し、その分子内Friedel-Crafts反応を行うことで多環式縮合環が効率良く構築できることを明らかにした。ここでは、さらにF-の脱離を伴って再びα-フルオロカルボカチオンが発生し、その加水分解により5〜7員環の二環式ケトンであるテトラロン、インダノン、ベンズスベロン誘導体を与えた。 また、より穏和な条件下で同様のカチオン環化を行うため超強酸の代わりになる反応剤を探索したところ、触媒量のカチオン性パラジウム錯体と三フッ化ホウ素を組合せ用いることにより、ジフルオロアルケンを効率よく活性化して環化を促進し、二環式ケトンへ容易に変換できることを見出した。 さらに、中間に再度生じるα-フルオロカルボカチオンも分子内で捕捉するため、アリール基を二つ有するgem-ジフルオロアルケンを調製し、プロトン酸あるいはパラジウム錯体を作用させた。その結果、予期したドミノ環化がone-potで進行し、一挙に二つのフッ素を各々分子内アリール基で置換した四環式化合物が収率良く得られた。これらの環化生成物のうち6/6/6/6環系の生成物は、脱水素反応によりヘリセンへと誘導できた。
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Research Products
(1 results)