2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芝田 育也 大阪大学, 環境安全研究管理センター, 教授 (10196420)
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Keywords | インジウム / 還元 / 反応制御 / 金属交換 / 不安定活性種 |
Research Abstract |
水素化インジウムを用いたラジカル的還元増炭反応への応用 ラジカル反応は中性条件下で進行するという特徴があり、多官能性基質に対する選択的な環化反応などに応用されている。当研究室では、新しいラジカル還元剤としてインジウムヒドリドを開発し、アルキンやハロゲン化アルキルのラジカル還元を利用したエンインやハロアルケンの分子内環化反応を達成している。本研究ではインジウムヒドリドの利用法を更に広げるために1,3-ジエンに反応させることによりアリルインジウムが発生することを見出した。 THF中においてインジウムヒドリドを1,3-ブタジエンと反応させると、^1H-NMR,^<13>C-NMRでアリルインジウムが発生していることを確認することができた。ラジカル禁止剤であるTEMPOをインジウムヒドリドとジエンとの反応前に加えるとホモアリルアルコールは得られず、アルデヒドが還元されたのみであった。一方、アリルインジウムが発生してから添加した場合にはアリル化物が得られた。このことより、インジウムヒドリドとジエンとの反応はラジカル的に進行し、アリルインジウムはアルデヒドへイオン的に求核付加すると考えられる。アルデヒドやケトンなど幅広いカルボニル化合物に適応可能である。本反応の特徴はジエンとカルボニルから一段で目的性生物が得られることであり、省ステップ、省資源の環境負荷低減型反応であるといえる。アルジミンのアリル化反応でも、目的生成物となるホモアリルアミンが得られた。ジエンのヒドロメタル化を経たアリル化反応で、イミンのアリル化の例は今までになく、興味ある結果となった。
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Research Products
(5 results)