2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジフルオロシクロプロパンの骨格変換反応を利用した含フッ素複素環化合物の合成
Project/Area Number |
17550037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉田 正人 島根大学, 医学部, 教授 (50137030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 真理 島根大学, 医学部, 教務職員 (80222818)
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Keywords | 合成化学 / 光反応 / フッ素化合物 / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究課題では、シクロプロパンの最小員環炭化水素としての様々な有機化学的特徴に着目し、フッ素の特異性とシクロプロパン環の高い歪みエネルギーの特異性を充分活かすことに基づいた新しいタイプの有用有機反応の開発を行い、これを含フッ素複素環化合物合成に応用することを目的としたものである。本研究の目的を達成するための第一のポイントは含フッ素シクロプロパン誘導体の簡便な合成方法を確立することであるが、その一つとして含フッ素αβ-不飽和ケトンを原料とし、それへのカルベンの付加反応による方法が考えられる。本年度はまず、含フッ素αβ-不飽和ケトンをα-メチルスチレンとヨウ化フルオロアルキルの酸化チタンを光触媒とした酸化-還元反応で合成することを試みた。これは研究代表者の吉田が平成15-16年度の科研費の特定領域研究でヨウ化フルオロアルキルの強い一電子受容能に着目し、ヨウ化フルオロアルキルの一電子還元とオレフィン類の一電子酸化を組み合わせたオレフィン類へのフルオロアルキル基の導入について検討した結果を鑑み、それを含フッ素αβ-不飽和ケトン合成に応用したものである。α-メチルスチレンとヨウ化フルオロアルキルのアセトニトリル溶液に酸化チタンを加え光照射したところ、反応効率は悪く、目的のケトンはほとんど得られなかった。しかし、酸素や水で適当に酸化チタンを前処理し、この酸化チタンを用いてα-メチルスチレンをヨウ化フルオロアルキルとの光反応を行ったところ,フルオロアルキル化ケトンを一挙に得ることができた。
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