2007 Fiscal Year Annual Research Report
ジフルオロシクロプロパンの骨格変換反応を利用した含フッ素複素環化合物の合成
Project/Area Number |
17550037
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉田 正人 Shimane University, 医学部, 教授 (50137030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 真理 島根大学, 医学部, 教務職員 (80222818)
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Keywords | 合成化学 / 光反応 / フッ素化合物 / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究課題では、シクロプロパンの最小員環炭化水素としての様々な有機化学的特徴に着目し、フッ素の特異性とシクロプロパン環の高い歪みエネルギーの特異性を充分活かすことに基づいた新しいタイプの有用有機反応の開発を行い、これを含フッ素複素環化合物合成に応用することを目的とて、酸化チタンを光触媒として用いた酸化-還元反応に基づくシクロプロパン環の開環反応を中心に検討を行ってきた。本年度は、文献記載の方法を参考に、α-メチルスチレンとトリフルオロ酢酸ナトリウム塩とのラジカル反応条件下によるジフルオロシクロプロパンの合成を行った。本方法は取り扱い易い、トリフルオロ酢酸ナトリウム塩を用いており、有用な合成法として期待できるので、種々の改良を検討したが、文献記載以上の収率は得られなかった。得られたジフルオロシクロプロパンのラジカルカチオンと反応系中に同時に作り出したラジカルアニオンとを反応させて含フッ素複素環化合物を合成することも試みた。しかし、思うような結果が得られず、昨年度から試みている「含フッ素小員環化合物の骨格変換を利用した有機合成」に幅を広げた研究をさらに検討した。具体的な成果として、αメチル炭素上にフルオロアルキル基を有するα-メチルスチレンの酸化チタン存在下での酸素酸化によりジオキセタンを経由した含フッ素不飽和ケトン(このケトンは複素環合成の有用な中間体として期待できる)の合成があるが、本年度はサイクリックボルタンメトリー法を用いた電気化学的な方法により、反応機構の詳細についても検討した。ここで、得られた結果は今後反応の設計を行う際に、有益な情報を提供すると考えられる。
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Research Products
(3 results)