2006 Fiscal Year Annual Research Report
キラルブレンステッド酸触媒を用いた不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
17550046
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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Keywords | 不斉合成 / キラルブレンステッド酸 / 触媒 / イミン / 付加環化反応 / 含チッ素化合物 |
Research Abstract |
我々は既に(R)-BINOLより合成した環状リン酸ジエステルが,キラルブレンステッド酸触媒として高い不斉触媒能を有していることを見いだしている。今回この環状リン酸ジエステルを触媒として用いて,エナンチオ選択的な付加環化反応による含窒素6員環化合物の不斉合成について検討した。 これまで,電子豊富なジエンとイミンとの不斉付加環化反応を報告したが,本研究では,電子豊富アルケンと,2-アザジエンとの逆電子要請型アザDiels-Alder反応について検討した。 キラルブレンステッド酸触媒として,3,3'位に9-アントリル基の置換したリン酸ジエステルを10mol%用いることにより,対応するテトラヒドロキノリン誘導体が高いシス選択性かつ高い光学純度で得られることを見いだした。 こうして得られたテトラヒドロキノリン誘導体は,容易に官能基変換が可能であり,生理活性を有する様々なピペリジンアルカロイド等の不斉合成に適用できる可能性を秘めている。 これまで,電子豊富アルケンと2-アザジエンとの逆電子要請型アザDiels-Alder反応は,金属触媒を用いたエナンチオ選択的な不斉合成反応の報告例が2例あるが,不斉収率は必ずしも高くなく,また基質の適用範囲も低い。今回,リン酸ジエステルをキラルブレンステッド酸触媒として用いることにより,汎用性の高い効率的なエナンチオ選択的アザDiels-Alder反応を見いだすことができた。
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Research Products
(8 results)