2006 Fiscal Year Annual Research Report
トポケミルミネセンスの開拓につながる熱分解発光型ジオキセタンの創出
Project/Area Number |
17550050
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
渡辺 信子 神奈川大学, 理学部, 助手 (40291744)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正勝 神奈川大学, 理学部, 教授 (10260986)
|
Keywords | ジオキセタン / 化学発光 / トポケミルミネセンス |
Research Abstract |
本研究は、1,2-ジオキセタン化合物を発光基質とした研究の中で、単なる熱分解でも効率よく発効する化合物を設計、創出することを目的とする。フェノール性水酸基を有するジオキセタンは、強塩基による脱プロトン化によりCTICL(Charge-Thransfer-Induced Chemiluminescence)分解が進行、効率良く一重項励起分子を生成して発光する一方、単なる熱分解では主に三重項励起分子が生成するため通常極めて発光効率が低い。そこで、加熱によりフェノール性水酸基を解離させるような構造を発色団に持ったCTICTL型ジオキセタンを設計し、溶液中の熱分解発光のみならず、固体状態での発光によるトポケミルミネスセンスの可能性を探ることを目的とするものである。 平成18年度においては、すでに上記目的に合致した骨格として見出したベンゾアゾリル骨格を4位に有する3-ヒドロキシフェニル置換ジオキセタン化合物についてさらに検討を行なった。種々の非プロトン性極性溶媒中および非極性溶媒中での熱化学発光について測定データの集積を行い、非プロトン性極性溶媒中での熱分解では塩基誘発分解と同一の発光種からの発光であり、非極性溶媒中ではESPTIに基づく発光であることが基礎的に確認できた。また、発色団となる芳香環部分以外の構造変換も行い、新たな2骨格のジオキセタンについて塩基誘発分解および熱分解について検討を行ない、発光特性への影響を調べ、特に分解速度へ影響があることが分かった。さらに同骨格の5位にさらにヒドロキシ基を導入したジオキセタンでの検討も行ない、トリガリング可能なフェノール性水酸基が2個存在することによるこの発光基質の特性に関して、塩基誘発分解および熱分解について基礎的データの集積を行った。固体状態の発光につては、発光測定系構築のための基礎的検討を開始した。
|
Research Products
(6 results)