2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 翼 東北大学, 名誉教授 (90007328)
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Keywords | 多核金属錯体 / 磁気的相互作用 / クラスター錯体 / 強磁性的相互作用 / クラスター生成配位子 / ナノサイズ金属錯体 |
Research Abstract |
以下の研究の論文へのとりまとめを行なった. 1.k^3N : k^2N型架橋モードに基づく強磁性的カップリング.直線的に3個並んだ磁性遷移金属イオン間にいかにしてシグマ型の強磁性的相互作用を働かせるかを命題として研究を行なった.隣接する遷移金属のdσ磁気軌道が厳密に直交するようにk^3N : k^2N型架橋モードで配位する架橋配位子ジ(ピラゾールカルビミド)アミネート(pz_2bg^-)を設計・合成した.この架橋配位子を2個含むCu(II)錯体を合成し,これを錯体配位子として用いその両側に磁性金属イオンを配位させ,三元錯体,Cu_3,Ni_2Cu, Co_2Cu, Mn_2Cuを合成した.構造解析により予想通りの構造ができ上がっていること確かめ,磁性の測定・解析を行い目的通りのシグマ型の強磁性的相互作用が発現していることを明らかにし,米国化学会誌Inorg.Chem.誌に発表した. 2.クラスター生成配位子,p, t-ブチルスルフォニルカリックス[4]アレーン(LH_4)を用いた4核クラスター錯体.このクラスター生成配位子を利用してMn(II),Co(II),Ni(II)それぞれの正方形型の4核クラスター錯体,[M_4(L)(AcO)4(μ_4-OH)]^-を合成した.これらはいずれも結晶学的に等構造であり,金属イオンの周りの配位構造は歪んだ八面体型である.これらのクラスター錯体の溶液中の安定性,磁気的性質など研究結果をEuropian Journal of Inorg.Chem.,誌に発表した. 3.Mn(II)の8核錯体.合成,構造,性質に関する論文をChem.Lett.誌に発表した.
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Research Products
(4 results)