2006 Fiscal Year Annual Research Report
酪農地域の水圏における天然及び合成女性ホルモン物質の濃度分布と影響因子
Project/Area Number |
17550068
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 俊逸 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
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Keywords | エストラジオール / 女性ホルモン物質 / 酪農地帯 / イムノアッセイ |
Research Abstract |
酪農地帯の河川等における女性ホルモン物質による汚染状況やその毒性への影響因子を探るために本年度は昨年度に引き続き、(1)エストラジオールの高感度分析法を抗原・抗体反応を用いるイムノアッセイと電気化学的測定法を用いて開発するとともに、(2)DNA修飾電極を用いてインターカレーターとDNAとの相互作用を電気化学的に検出する方法の開発を行なった。この方法はまた、女性ホルモン物質の一つであるDESの検出法の開発へと発展した。さらに(3)酪農地帯を流れる河川水中の総エストロゲン及びエストラジオールの検出を行い、以下のような結果が得られた。 1.ビオチン化エストラジオールをプローブリガンドとして、抗原・抗体反応をアビジン・ビオチンシステムで検出する方法を確立し、エストラジオールの高感度なイムノアッセイ法を開発することができた。さらに、カーボンナノチューブ修飾電極により、エストラジオールの高感度な電気化学的検出法を確立することができた。 2.DNAを内包させたアルギン酸膜によって修飾した電極を作製し、DNAへのインターカレーターである臭化エチジウムの電気化学的応答からDNAとインターカレーターとの相互作用を検出する方法を確立した。また、groove結合する物質との競争反応により合成の女性ホルモン物質であるDESの電気化学的検出の可能性を示すことができた。 3.道東の別海町周辺の酪農地帯を流れる西別川の河川水中の女性ホルモン物質の検出を行なったところ、これらの河川水中には、かなりの濃度の女性ホルモン物質が存在することが明らかになった。検出された総エストロゲン濃度とエストラジオール濃度がかなり接近しているため総エストロゲンのかなりの部分はエストラジオールであることが示唆された。
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Research Products
(5 results)