2007 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性微粒子における物質移動過程の温度ジャンプ・マイクロ化学分析
Project/Area Number |
17550071
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中谷 清治 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (00250415)
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Keywords | 温度ジャンプ / 微粒子 / 物質移動 |
Research Abstract |
顕微分光法と温度ジャンプ法を組み合わせた新規手法開発と単一微粒子インジェクション-顕微分光法により,多孔性微粒子系におけるナノメートル空間内の様々な化学・物理プロセスを伴った物質移動過程の分析化学的解析を目的として研究を行った。1200nmのナノ秒パルスレーザーによるマイクロメートル領域の温度ジャンプの上昇温度が7℃以上,時間分解能が〜10^<-8>sである温度ジャンプ-顕微蛍光法を確立した。ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)水溶液の32℃前後で相転移し微粒子形成する過程に適用し,〜10μsの立ち上がり成分が観測された。PNIPAM濃度変化によらず一定であったことから,相転移後の凝集過程を観測しているのではなく,相転移過程を観測していることを明らかにした。さらに,この相転移過程を細孔サイズ30,50nmの多孔性粒子中で行ったところ,1ms以内では相転移できないが,10ms以上では可能であり,細孔内物質移動過程について有用な知見が得られた。1-アニリノナフタレン-8-スルホン酸などの低分子については,温度ジャンプ-顕微蛍光法を用いて速い時間領域における多孔性粒子内物質移動過程を検討したが,反応速度が速い等のため解析できなかった。低分子系について,単一微粒子インジェクション-顕微分光法により,短時間で濃度変化,pH変化させることで比較的遅い時間領域における多孔性粒子内物質移動を観測したところ,細孔サイズが12nmのODSシリカゲルでは,細孔サイズ3〜30nmのシリカゲルと同様に細孔内溶液中を拡散するポア拡散が支配的となったが,キチン誘導体の多孔性粒子中では細孔壁に沿って拡散する表面拡散が律速になることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)