2005 Fiscal Year Annual Research Report
糸を支持体とする低濃度ポリアクリルアミドゲルを用いる高性能二次元電気泳動法の開発
Project/Area Number |
17550072
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小竹 玉緒 群馬大学, 工学部, 講師 (10301128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
佐伯 俊彦 群馬大学, 工学部, 助手 (00241860)
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Keywords | 電気泳動 / 蛋白質 / プロテオーム / マイクロ・ナノデバイス / マルチフィラメント糸 / アクリルアミド / アガロース / 両性担体 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに、支持体として糸を用いたゲル(糸ゲル)を二次元電気泳動法(2-DE)における一次元目の等電点電気泳動(IEF)用ゲルとして提案し、ポリアクリルアミドゲル濃度を通常の4%から2%まで下げ、IEF分離の高速化と200kDa程度までの高分子量タンパク質の分析を可能にした。しかしpH勾配の安定性・再現性に改良の余地があった。そこで本研究では、pH勾配の安定性と分離能を向上させるため、糸ゲルの最適化と低濃度化を検討し、高分子量タンパク質の高速2-DE分離を目指すことを目的とする。 今年度はIEF用糸ゲルのpH勾配の安定性と分離能を向上させるため、以下の項目を検討した。 1.固定化pH勾配(IPG)の導入の検討 ポリアクリルアミドゲルのモノマーとしてpKaの異なるアクリルアミド誘導体を用い、長時間の電圧を印加してもpH勾配が安定なIPG法の導入を検討した。IPG糸ゲルの作製には、これまでに開発した糸ゲル作製装置では十分に適用できないことがわかった。そこでIPG糸ゲル作製用の糸ゲル作製装置を現在設計中である。ちなみに、市販のIPGゲルはポリマーフィルムを支持体としており、ゲル濃度を2%まで低濃度化することは困難であった。糸を支持体とすることにより初めて2%までの低濃度化が可能であることが確認できた。 2.ポリアクリルアミドゲルの低濃度化の検討 通常の熱による重合法によりどの程度まで低濃度化できるか検討したところ、1.75%までは作製できるが強度が十分でなく、1.5%以下では固まらなかった。そこで低濃度ゲルの補強のためアガロースの添加を検討し、アガロース添加によりゲルの補強が可能であることがわかった。 3.低濃度糸ゲルの2-DEへの適用 開発した低濃度ポリアクリルアミドゲルを実際に2-DEに適用した。低濃度化によりさらに高分子領域のタンパク質のスポットが明瞭に現れるようになった。
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Research Products
(1 results)