2006 Fiscal Year Annual Research Report
糸を支持体とする低濃度ポリアクリルアミドゲルを用いる高性能二次元電気泳動法の開発
Project/Area Number |
17550072
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小竹 玉緒 東京大学, 大学院工学系研究科, 特任助教授 (10301128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
佐伯 俊彦 群馬大学, 工学部, 助手 (00241860)
|
Keywords | 電気泳動 / タンパク質 / プロテオーム / マイクロ・ナノデバイス / マルチフィラメント糸 / アクリルアミド / 放射線重合 / ガンマ線 |
Research Abstract |
研究代表者らが独自に開発してきた"糸ゲル"を二次元電気泳動(2-DE)の一次元目の等電点電気泳動(IEF)ゲルとして開発し、2-DEの高性能化を図ることを目的とした。今年度は放射線重合法を新たに導入しゲルの低濃度化を図るとともに、pH勾配の安定化、高分子量タンパク質の分離条件の検討を続け、高性能2-DEの構築を目指した。 1.pH勾配の安定化 IEFにおいてpH勾配の安定性は重要であり、従来の両性担体を用いる方法よりも固定化pH勾配(IPG)法の方が、安定性が優れていることが示されている。そこでIPG法の糸ゲルへの適用を検討した。糸ゲルに適したIPG作製条件(溶液量、流量等)の検討により、IPG糸ゲルを作製できた。今後、流量制御や装置改善によりpH範囲の制御やゲル毎の再現性が得られれば、従来のIPGゲルでは分析困難な高分子量タンパク質の再現性よい分離法として期待できる。 2.ゲルの低濃度化 ゲルは濃度が低いほど細孔径が大きく、IEFの高速化と高分子量タンパク質の分離が期待できる。従来の化学重合法では2%Tが限度であるが、放射線は効率的にラジカルを生じさせるのでより低濃度のゲルの作製が期待できる。そこで^<60>Coを放射線源とするガンマ線を用い、2%T以下の低濃度糸ゲルの作製を試みた。吸収線量率、照射時間を検討し、1.5%Tまでの低濃度糸ゲルを作製し、IEFに適用できることがわかった。 3.高分子量タンパク質の分離条件 チログロブリン、ミオシン重鎖、膜タンパク質などの高分子量タンパク質は、細胞の代謝や物質移動、疾患との関連性が高いことが近年明らかになってきた。しかし従来の2-DEでは200kDaを超える高分子量タンパク質の分析は難しい。そこで低濃度の糸ゲルをIEFの分離媒体として適用し、高分子量タンパク質の分離条件を検討したところ、非変性条件が有用であることがわかった。
|
Research Products
(1 results)