2007 Fiscal Year Annual Research Report
溶存シリカ化学種による東京湾の海水環境とシリカの環境に関する研究
Project/Area Number |
17550074
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 美穂 (田中 美穂) Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 助教 (30236640)
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Keywords | シリカ化学種 / イオン化 / 河口域 / 季節変動 / 年変動 / FAB-MS / ESI-MS |
Research Abstract |
平成19年度に行った研究は下記のとおりである。 1.東京湾における海水中のシリカ化学種の存在状態と季節変動について シリカ化学種の「再現性」を確認するために、年変動と地域差について検討した。シリカ化学種の海水の深度に対するプロファイルが季節によって特徴を持っていることと、海水が層構造を保っている秋季においては特に年変動は少ない事を確認した。一方、春季において、東京湾の海水は、年変動によっても再現性は認められたが、外洋である相模湾では、年によって珪藻の栄養源となるシリカの消費が異なるようである。これが、夏季の冷夏、猛暑の前兆であるのかどうかは今後の研究が必要である。 2.河川からのシリカの供給 東京湾に注ぎ込む多摩川のシリカの溶存状態を分析した。湧水を含む河川においては、一般にイオン性のシリカではなく、ポリマーのシリカが存在しているといわれていた。本研究では、河川中のシリカの濃度を分析したところ、シリカの濃度は海洋に比べはるかに高いにも関わらず、イオン性のシリカは海洋に比べて少ないことがわかった。このことから河川でのシリカの存在状態と海洋におけるシリカの存在状態には大きな差があることがわかった。このシリカの溶存状態の変化は河口域で起きると考えられ、今後河口域におけるシリカの溶存状態について研究すべきであることがわかった。 3.アルミニウム、カドミウム、ランタノイドなどの金属イオンの溶存状態の研究 本申請研究の課題の一つである極低濃度のアルミニウムや、カドミウム、ランタノイドの溶存状態については、シリカ化学種の様にFAB-MSという質量分析計では測定できないので、ESI-MSという質量分析計で測定することと、その測定方法の確立が重要である。本年度の研究によってアルミニウム、カドミニウム、ランタノイドなどの金属イオンの溶存状態について検討することにし、学会発表や報文の作成を開始した。
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Research Products
(17 results)