2006 Fiscal Year Annual Research Report
多成分・広粒度分散微粒子系のための表面局在電磁波を利用する粒径同時測定法の開発
Project/Area Number |
17550081
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉留 俊史 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60253910)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10128077)
|
Keywords | 粒径計測 / 赤外分光 / ATR / 表面電磁波 / 成分別計測 / 増強 / 金属薄膜 |
Research Abstract |
本課題は、既存の手法とはまったく異なり、表面増強赤外吸収(SEIRA)現象および赤外全反射吸収(ATR)現象を応用する新しい原理に基づいて、多成分混合微粒子系の粒子サイズを、成分分別することなく各成分ごとに同時に測定する手法を開発することを目的とする。本申請では、これまでに行った、単一成分・単一粒径のシリカ粒子に対する基礎実験をもとに、多成分混合した粒度分散のある微粒子系への適用性を明らかにする。本年度は交付申請の実施計画書に基づいて研究を行い以下のような結果を得た。 1.多成分の微粒子についてATR信号一粒径の関係を調べる(吉留) H17年度までに、シリカとアルミナについてATR信号の粒径依存性を求めた。引き続き同様に、炭化ケイ素についてもATR信号一粒径の関係を求めた結果、シリカ同様、ATR信号に理論予想通りの粒径依存性が観測され、本法の適用可能性が示唆された。現在までに、シリカや炭化ケイ素のように理論どおりの粒子もあれば、アルミナのように理論と異なるものもあることがわかった。その原因究明と対策が必要である。 2.多成分混合微粒子系へのATR法の応用(吉留) H17年度にシリカやとアルミナの混合系で粒径の同時測定を行った。シリカと炭化ケイ素の混合系でも粒径の同時測定を行った結果、単一成分の場合同様な測定が行え、混合系への本法の適用性が示唆された。 3.ATR法を用いて微粒子系の粒度分散を求める手法の検討_1(吉留) シリカなどの単一成分で分散のある微粒子系を想定して、その分散をATR法により求める手法を検討した。ATR法による粒径測定の理論的考察を進め、代数的な数値演算を援用することで分散を求める手法を確立した。 4.SEIRAによる粒径測定法の基本手法の確認(吉留、肥後) Ag,Pb薄膜によるSEIRAを用いて、微粒子サイズを木める基本的手法を検討するための装置的な準備を行った。 5.ATR法を用いて微粒子系の粒度分散を求める手法の検討_2(吉留) シリカで分散のある微粒子系を想定して、その分散をATR法により求める手法を検討した。"3"で確立した理論を援用する具体的手法を検討し、本年度はシミュレーションにより粒度分散を実際に求められるか調べた結果、単分散を仮定した場合はエラーなく計算できることがわかった。
|
Research Products
(1 results)