2006 Fiscal Year Annual Research Report
大気粉塵中に濃縮されている微量汚染元素とその可溶性成分の化学形態別分析
Project/Area Number |
17550083
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 啓市 中央大学, 理工学部, 助手 (00391110)
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Keywords | 環境分析 / モニタリング / 大気粉塵 / 微量汚染元素 / 化学形態別分析 |
Research Abstract |
本研究室では1995年から継続して行っている粒径別大気粉塵の長期モニタリングでは、微小粒子中には人体に有害とされる元素(As,Se,Cd,Sb,Pb)が濃縮しているという研究結果が出た。大気粉塵の粒径が2μm以下の微小粒子は呼吸によって肺や肺胞にまで達し、健康被害を及ぼすといわれている。大気粉塵が体内で溶出した場合、健康に与える影響はさらに大きくなると考えられる。本研究では粒径別に捕集した大気粉塵中に含まれる金属元素の溶解性を解明した。 サンプリングは東京都文京区にある中央大学理工学部の6号館屋上(地上約45m)で行った。中央大学理工学部は国道254号線に面しており、非常に交通量の多い都市部の代表的な場所であるといえる。サンプリングした試料をフィルターごとPTFE製容器に入れ超純水40mLを加え、フィルターが完全に超純水に浸透するようにした。恒温振とう機を用いて、恒温槽温度25℃、振とう回数120回min^<-1>の条件の下、24時間抽出を行った。 その結果、主成分元素では土壌に多く含まれているFe,Al及びTiが不溶性であり、海塩粒子に多く含まれているNa,Mg,K及びCaが水溶性であった。微量元素では人体に有害であるとされているZn及びCdの溶解性が非常に高かった。大気粉塵中の金属元素の溶解性と酸化物の結合エネルギーの関係を調べたところ、全粒径共に酸化物の結合エネルギーが低いほど水溶性成分の割合が高くなるという傾向が見られた。
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Research Products
(2 results)