2007 Fiscal Year Annual Research Report
大気粉塵中に濃縮されている微量汚染元素とその可溶性成分の化学形態別分析
Project/Area Number |
17550083
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
古田 直紀 Chuo University, 理工学部, 教授 (90101055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 啓市 中央大学, 理工学部, 助教 (00391110)
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Keywords | 環境分析 / モニタリング / 大気粉塵 / 微量汚染元素 / 化学形態別分析 |
Research Abstract |
<2μmの大気粉塵中に含まれるSbのうち、約30%が純水で抽出(24時間水抽出)することができ、その抽出液をHPLC-ICPMSを用い、水抽出液中のSbの化学形態別分析を行った。東京都心におけるく2μmの大気粉塵の可溶性アンチモンは、無機化合物の五価アンチモンSbO^<3->_4(Sb(V))と有機化合物のトリメチルアンチモン(CH_3)_3Sb^+-OH(TMSb^+)の化学形態で存在することが分かった。HPLC-ICPMSの移動相として、リン酸アンモニウム緩衝液(pH7.4)を用いても、トリス-HNO_3緩衝液(pH7.4)を用いても化学形態別分析の結果はほぼ一致した。<2μmの大気粉塵中に含まれるSb(V)とTMSb^+は、それぞれ、48.3μgg^<-1>と2.37μgg^<-1>であった。また、HPLCで分離して求めた化学形態別分析値の総和と、大気粉塵をマイクロ波分解装置を用い、全分解して求めたSb全量の値とが一致したことから、カラム内でのSbの吸着による損失がないことを確認した。 <2μmの大気粉塵の水抽出液に含まれるNO^-_3、SO^<2->_4、Cl^-、NH^+_4をイオンクロマトグラフィーを用い定量した結果、大気粉塵中のイオウは硫酸アンモニウムとて存在し、窒素は硝酸アンモニウムとして化学量論的に存在していることが分かった。小さな粒径の大気粉塵ほどイオウの濃度は高く6〜8%であり、そのほとんどが可溶性であり、ほぼ100%が水抽出された。
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Research Products
(17 results)