2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸性染料の異染色性を利用する尿たんぱくの高精度マイクロセンサーの開発
Project/Area Number |
17550087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 忠雄 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30076038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手嶋 紀雄 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (30292501)
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Keywords | 連続流れ場 / オンライン検出 / FIA / SIA-LOW / 試薬再生 / 試薬連続循環 / 覚醒アミン / 尿たんぱく |
Research Abstract |
1) 測定システムの微試料化と試薬削減化 酒井らは連続した「試薬流れ場」に少試料を注入し、0.5mmのテフロンチューブを反応場とする「流れ分析Flow Analysis」の学術・技術開発を行っている。本研究課題においても「流れを利用するセンシングシステム」の課題を重要な研究視点に挙げており、それらに関する基礎・応用研究を展開した。例えば尿中に排泄される覚醒アミンであるメタンフェタミンをイオン会合反応を用いて定量することを試みた(Talanta,68,235(2005).この方法は試薬をオンラインで再生し、さらに循環再利用する技術が開発され、廃液を出さない方法として注目されている。またシーケンシャルインジェクション-ラボオンバルブ(SIA-LOV)の検出システムが開発された。ここで提案された方法は試薬・試料,数十μLをホールディングコイルに吸引し、可逆送液により、化学反応を促進する方法である。SIA-LOVでは全溶液が約250μLあれば2検体を逐次測定することができ、環境にやさしい検出法である。 2) たんぱくの分析法の検討 陰イオン染料のテトラブロモフェノールブルー(TBPB)はpH3付近では黄色を呈する。これに少量のたんぱく質(アルブミン)が添加されると青色に変色する。この反応はマイナスのTBPBとたんぱく表面の陽イオン部が静電的会合すると考えるが、中性界面活性剤が共存すると会合が化学量論的となり、たんぱくの量に比例して吸光度が増加することを見出した。本法は従来法と比べ、試薬空試験液の吸光度が低く、感度も良好で、尿に漏れ出てくるたんぱくの定量に応用できた。またTBPB-たんぱく会合体はニトロセルロース系のメンブランフィルターに捕集することができ、この捕集体をデジタルカメラに収録し、標準色列表と比較することにより、容易に目視定量することができた。尿は非侵襲形試料であり、患者の精神的負担を掛けることなく、測定試料として有効であることから、ここで検討した吸光光度法及び目視法は臨床化学的にも有用であると考える。
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Research Products
(6 results)