2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸性染料の異染色性を利用する尿たんぱくの高精度マイクロセンサーの開発
Project/Area Number |
17550087
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 忠雄 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30076038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手嶋 紀雄 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (30292501)
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Keywords | 一塩基酸染料 / TBPE / アルブミン / イオン会合反応 / メタクロマジー / Triton X-100 / 尿たんぱく / フローインジェクション法 |
Research Abstract |
1)酸性染料TBPEとアルブミン,HSA)のメタクラマジー現象発現機構の検討 昨年の研究では二塩基酸染料TBPBとアルブミンとのイオン会合反応条件を検討した。しかしTBPBは2つの酸解離定数をもち、会合が複雑であることが判明した。そこで本研究では解離定数が1つの一塩基酸染料Tetrabromophenolphthalein ethyl ester(TBPE)を用いて異染色性(メタクラマジー)の検討を行なった。TBPEのpKaは4.2であることを酒井らは求めているが、pH3.5>においてはTBPE・Hの分子型として存在し、水溶液では溶けない。しかし非イオン界面活性剤Triton X-100の存在下でミセル内に可溶化することが判明した。またTriton X-100を共存させるとpH3付近にもかかわらずTBPE・Hとイオン会合し、λmaxが410nmから610nmと大幅にred shiftを起こすことが分かった。また610nmにおいてはreagent blankの吸収は殆どなく、TBPE-HSA会合体の吸光度のみを測定することが可能であることがわかった。 2)1)の検討はバッチマニュアル法であることから、イオン会合反応場は大きく、また試薬の廃棄量は多く(1試料につき25mL使用)、また再現性は十分とはいえない。そこで、酒井らが研究を進めている「連続流れ場」を利用するフローインジェクション法での導入について検討した。流路は単純な2チャンネルとし、1つの流路にはキャリヤー(蒸留水)を、もう一方には試薬(Triton X-100、TBPE,緩衝液の混合溶液)をダブルプランジャーポンプを用いて0.9mL/minの流速で送液した。その結果反応場は0.25i.d.x 5mのテフロンチューブを用いれば十分に発色することが判明した。またTriton X-100、TBPEの濃度とも、それが増加すると水を対照にしたベースラインの上昇が見られた。種々の判明した条件下で作成した検量線は0-12mg/dLの範囲で良好な直線性を示し、R^2=0.998が得られた。また3.0mg/dLHSAの10回測定で求めた変動係数は1.2%で極めて再現性・精度の高い方法を確立することが出来た。このシステムで測定すると1時間に30試料を分析することが可能である。
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Research Products
(6 results)