2005 Fiscal Year Annual Research Report
軽元素機能材料の放射光軟X線状態分析技術の確立と応用
Project/Area Number |
17550090
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
村松 康司 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50343918)
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Keywords | 放射光 / 軟X線 / 状態分析 / 炭素 |
Research Abstract |
本研究では,世界最高輝度の放射光を利用した軟X線発光・吸収分光法による軽元素機能材料の高精度状態分析技術の確立とその産業応用を目的とする。具体的に実施する項目は,(1)放射光軟X線状態分析技術の確立に必要な標準化合物の基礎分光データベースの構築と,(2)本技術の実用性を示すための実材料への適用に大別される。それぞれの項目に対して平成17年度の実施状況を以下に示す。 (1)基礎分光データベースの構築 ・酸素置換基を含む有機化合物の軟X線吸収分光(XAS):炭素材料の酸化状態を軟X線吸収分光測定から定量分析するため,様々な酸素置換基を含む固体有機化合物の広エネルギー領域XASを測定した。 ・遷移金属炭化物の軟X線吸収分光(XAS):金属材料中炭素の状態分析に必要な指紋スペクトルとして様々な金属炭化物の広エネルギー領域XASを測定した。 ・平成18年度は,上記測定データの理論解析と,窒素含有炭素化合物の広エネルギー領域XASを測定する。 (2)実材料への適用 ・いぶし瓦表面炭素膜に生じる欠陥の評価:遷移金属炭化物の軟X線吸収分光XASから,いぶし瓦表面の結果は酸化鉄(サビ)であることを明らかにした。 ・ホウ素ドープダイヤモンド半導体:バンドギャップの精密測定に成功した。 ・金属中の希ガスクラスタ:遷移金属に注入された希ガスはバブルクラスタを形成することを明らかにした。 ・BCN合金:BCN合金の組成を明らかにするため,軟X線発光・吸収測定を行った。現在解析中。 ・炭素注入シリコン:シリコンへの炭素注入層の化学状態を明らかにするため,軟X線分光測定を行った。現在解析中。 ・カーボンブラック:工業カーボン材料の物性を局所構造から理解するため,軟X線分光測定を行った。現在進行中。
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