2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550119
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
木原 伸浩 神奈川大学, 理学部, 教授 (30214852)
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Keywords | ポリカテナン / 協奏的環化反応 / Diels-Alder反応 / 環開裂反応 / アゾ化合物 / 6π電子環状環化反応 / McMurry反応 / 異性化反応 |
Research Abstract |
ポリカテナンを合成するためには、定量的な協奏的環化反応と環化成績体の定量的な環開裂が必要である。まず、協奏的環化反応としてDiels-Alder反応を用いた場合の環開裂反応について検討した。ビシナルにエステル基を有する炭素-炭素単結合の還元的開裂を検討したが、ひずみが無い状態では開裂させることができなかった。ひずみの導入は重合効率の低下を招くのでポリカテナン合成の単位反応としては不適切であることが分かった。そこで、ジエノフィルとしてアゾ化合物を用いたヘテロDiels-Alder反応を利用し、窒素-窒素単結合の切断について検討した。電子密度が高い窒素一窒素結合もBirch条件下では切断できたが、定量的な切断には電子密度の比較的低い窒素一窒素結合である必要があり、反応性の高く不安定なアゾジカルボニル化合物をモノマーとして用いる必要があることを明らかにした。そこで、アゾジカルボニル化合物を酸化的に作りながらヘテロDiels-Alder反応を行なうこととし、1,3-ジエンを2つ有するマクロサイクルの合成を検討した。一方、協奏的環化反応として6π電子環状環化反応を利用することを検討した。重合に用いるα,β-不飽和ケトンのMcMurry反応について検討したところ、脂肪族のケトンを用いることで、収率は高くないものの、取り扱い可能なトリエンが得られることを明らかにした。その熱環化反応を検討したが、中央の二重結合がシス体のものは定量的に環化したものの、トランス体のものは未反応で残った。そこで、トランス体をシス体に異性化させながらの環化反応を検討した。しかし、高圧水銀ランプによる光照射やラジカル逓伝体の存在下での反応ではいずれも複雑な分解生成物を与えたことから、穏やかな条件下で重合などを起こさないように異性化を進行させる必要があるものと考えられる。
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Research Products
(13 results)