2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面分光測定による高分子ゲルの表面摩擦物性と表面分子構造の関係解明
Project/Area Number |
17550121
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
叶 深 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (40250419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グン 剣萍 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20250417)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 超精密計測 / 表面振動分光法 / 表面分子構造 / 表面摩擦 / 和周波発生 / 水 / 界面 |
Research Abstract |
本研究では生体材料である高分子ゲルの表面摩擦特性とその表面分子構造の相関を解明することを目的とする。高分子ゲルの表面摩擦特性は、高分子ゲルに含まれる水、特にゲル表面にある水の構造と強く関係しているものと考えられる。本研究は高い感度と界面選択性を持つ和周波発生(SFG)や表面増強赤外分光法(SEIRAS)を、高分子ゲルの表面分子構造の解明に用いる。本研究は、ゲルが機能する水溶液中の環境下で、異なる固体基板の表面で外部荷重を加えながらゲル表面の摩擦係数の荷重依存性を測定し、その場SFG測定によるゲルの表面分子構造、特に界面での水分子の構造の解析を比較し、高分子ゲルの表面摩擦物性と表面の分子構造の関係を解明する。 研究の初年度においては、高分子ゲルの特性に合わせた分光計測セルを最適化し、ゲルを用いるその場分光測定の準備を行った。分光計測は、内部反射型の配置で測定を行うので、溶融石英またはフッ化カルシウム(CaF_2)の半円筒型プリズムを用いた。そのような柔らかい高分子薄膜表面と圧力を均一かつ連続的に加えるように、マイクロメート制御で圧力調整可能なその場分光測定セルを設計・製作した。まず、ポリアクリレートまたはポリスチレンなどの高分子薄膜を、基板表面にスピンコーティング法またはキャスト法により作製を試みた。上記に設計された圧力が制御できる分光セルを用い、その場SFGとSEIRAS測定を行った。特にSFG測定は、各偏光条件下において、1200-4000cm^<-1>の波長領域で初めて実現されており、ゲルと水界面の構造を観察する必要となる波長領域がほぼ確保できた。
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Research Products
(4 results)