2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規な感熱応答性高分子の相転移挙動の基礎検討とこれを用いた機能性表面の構築
Project/Area Number |
17550125
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
今林 慎一郎 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50251757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正義 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | 感熱応答性高分子 / ブロック共重合体 / 相転位挙動 / フェノチアジン / レドックス応答 / 水接触角 |
Research Abstract |
レドックス活性なフェノチアジン(PT)を主鎖末端に導入したポリエトキシエチルグリシジルエーテル(PEGE)とポリエチレンオキシド(PEO)から成る感熱応答性ジブロック共重合体(TRP)において、各ブロック長や長さの比率を変化させて、水溶液中におけるPEGEブロックの相転移温度やPTの酸化還元挙動への影響を検討した。色素可溶化法によって決定した相転移温度はPEOブロックが長くなるほど、PEGEブロック/PEOブロックの長さ比率が小さくなるほど高温にシフトした。相転移温度より高温ではPTの酸化電位は正電位シフトし、PTがグロビュール状態になったPEGEブロックの疎水環境に取込まれることを反映した。同時に酸化ピーク電流値から見積られる拡散係数Dが減少し、高分子の会合を示唆した。 PTとSH基を両主鎖末端に結合したTRPを合成し、それを固定化した金基板表面の水に対する濡れ性の温度依存性について検討した。分子量3000のTRPの場合、基板表面における水の接触角は36℃付近で47°から60°に不連続に変化した。この表面の親疎水性の温度変化は可逆的に起こり、高分子の脱水和と同時に起こるコイル-グロビュール転移を反映している。表面における転移温度は水溶液中よりも高温にシフトし、固定化TRPの混み合い度が大きいほど高い傾向が得られた。次に末端PT基を持たないTRPについて同様の検討を行ったところ、やはり固定化TRPの混み合い度と表面転移温度の間に相関が観られた。よって、表面におけるTRPの相転移においては疎水基PTの影響は大きくないこと、固定化TRPの混み合い度が重要であることがわかった。
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Research Products
(1 results)