2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な感熱応答性高分子の相転移挙動の基礎検討とこれを用いた機能性表面の構築
Project/Area Number |
17550125
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
今林 慎一郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50251757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正義 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | 感熱応答性高分子 / ブロック共重合体 / 相転移挙動 / フェノチアジン / レドックス応答 / イオン液体 |
Research Abstract |
レドックス活性なフェノチアジン(PT)を主鎖末端に導入した感熱応答性ジブロック共重合体poly(ethyl glycidyl ether)-block-poly(ethylene oxide)(PT-PEGE-b-PEO)について、各ブロックの長さやその比率を系統的に変化させて、水溶液中におけるPEGEブロックの相転移温度(Tc)やPTの酸化還元挙動への影響を検討し、以下の結果を得た。(昨年度から継続) 1)PEGEブロックが長い、PEOブロックが短いほどTcは低温にシフトするが、前者の影響が大きい。 2)PTの酸化電位はTcより高温では昇温に伴って正電位シフトし、酸化電流はTcで最大値を示した。これら酸化還元特性の変化はPEGEブロックがグロビュール状態になるために高分子の会合が起こり、その疎水環境にPTが取込まれることを反映する。 3)光散乱から求めた流体力学的半径はTc以上でもほぼ一定値を示すことから、PTの酸化電流減少は高分子の会合による拡散係数の減少よりも、疎水環境へ取り込まれることによる電気化学的に不活性なPTの生成に起因すると考えられる。 PTを主鎖末端に導入した感熱応答性高分子PT-PEGEは上記のような水溶液中のみならず、イミダゾリウム系イオン液体中でも低温相溶・高温不溶のLCST型溶解挙動を示すことを見出した。イオン液体中のTcはイオン液体や高分子の種類・構造に依存して変化するが、総体的に水溶液中に比べて高温であった。高分子のエーテル酸素とイオン液体カチオンの2位の水素間の水素結合がTc値決定に大きな役割を果たしていると考えられる。
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Research Products
(1 results)