2005 Fiscal Year Annual Research Report
高対称性構造の金属内包型シリコンおよびゲルマニウム・クラスターに関する理論的研究
Project/Area Number |
17550130
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
茂木 孝一 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (30304835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 智裕 岐阜大学, 地域科学部, 助手 (00334920)
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Keywords | 理論化学 / 金属内包 / クラスター / シリコン / 希土類 |
Research Abstract |
炭素と同系列のシリコンおよびゲルマニウムでは、分子として最も対称性の高いI_h構造をなすクラスターとして、M_<12>, M_<20>, M_<32>, M_<60>などが候補に挙げられる。しかし、フラーレンと同じSi_<60>では系はI_h構造で安定構造とならず、これまで実験的にも観測されていない。本研究では、これらの問題を解決し、シリコンおよびゲルマニウムのクラスターに金属原子を内包させることにより、究極のナノサイズの光学、磁性、および伝導性をもつ半導体クラスターを、理論的に探求する。本申請者はこれまでに密度汎関数法を用い、Zn@Ge_<12>およびLa@Si_<20>、Ce@Si_<20>^-がI_h対称構造をなすことを明らかにしてきた。今回の研究は、これらの新しいナノサイズ半導体物性を理論的な側面から、未知の物質を探求するプロジェクトである。I_h構造の美しさは、数学的な取り扱いが可能であり、この分野における複合的な理論の構築している。シリコンおよびゲルマニウム・クラスターの安定構造を密度汎関数で決定すると、電子占有を考慮すると、Si_<12>^<2->、Ge_<12>^<2->とアニオン状態でI_h対称構造をなす。これらのアニオン状態では、Jahn-Teller歪みを起こしてします。これらのクラスターでI_h構造が準安定構造となってしまう問題を解決し、I_h構造が最安定構造になるようにするには、i対称中心に他の金属原子を内包させることである。本申請者は、Ih構造をとるZn@Ge_<12>をより高い電子状態理論で、その電子状態および磁性、光学的性質を探求してきた。また、ランタノイド金属内包型シリコンの研究について、スピン軌道相互作用により見られる磁気的・光学的性質を研究してきた。これら相対論的な効果を考慮した理論計算を行うため、九大グループが開発してきたモデルコアポテンシャル法の理論の構築・拡張を茂木が担当し、プログラムの開発を分担者の橋本が行ってきた。
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Research Products
(1 results)