2006 Fiscal Year Annual Research Report
キラル分子配向体をインデューサーとする機能増幅型光学素子の開発
Project/Area Number |
17550133
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高藤 誠 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (50332086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (10151648)
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Keywords | 自己組織化 / 誘起円偏光二色性 / キラリティー / オルガノゲル / キラル分子配向体 / ホスト-ゲスト化学 |
Research Abstract |
脂質などの自己組織性分子は、分子集積に基づく興味深い現象が見られるいっぽうで、物理的、熱的に不安定なため、さまざまな手法による材料化への取組みがなされており、分子集合体の形状の安定化と機能の安定化に大別することができる。特に形状、形態の安定化については、これまでに多くの報告がなされており、ラセン状やファイバー状のシリカ複合体やポリマー複合体が報告されている。本研究では、キラル配向性分子集合体により誘起、増幅される機能の固定化による光学材料、機能性材料の開発について検討を行った。配向性分子として二鎖型グルタミド脂質を用い、脂質分子に種々の官能基を導入することで特異的な増幅機能の創出を試みた。以下はその結果の概要である。 1)ポリマー複合フィルム:光機能を有する脂質分子あるいは脂質分子と光機能性色素とのホスト-ゲストコンプレックスの分子集合体をポリマー溶液中に分散させ、これをキャストすることで分子集合体/ポリマー複合フィルムを得た。この複合フイルムは分子集合構造に基づく増幅キラリティーやエキサイマー発光を保持しており、導入する官能基を選択することで容易に機能を制御することが可能であることが確認された。さらにポリマーの架橋による強度や耐溶媒性の向上についても検討を行った。 2)無機材料界面・無機分子への固定化:二鎖型グルタミド脂質の無機材料界面への固定化についても検討した。界面に脂質分子を直接固定化したシリカ微粒子は、界面において分子配向に基づくと考えられる特異的な分子識別能を示した。また、無機分子であるシクロホスファゼンに脂質分子を集積、固定化させることで新たな分子素子の可能性も示した。
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Research Products
(3 results)