2005 Fiscal Year Annual Research Report
安全なリユースを目的とした木質材料に含まれる異物識別システムの開発
Project/Area Number |
17550144
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
山内 繁 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (30279509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 安生 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 講師 (80279512)
澁谷 栄 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 流動研究員
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Keywords | リユース / 木質材料 / 安全性 / 異物識別 |
Research Abstract |
初年度はまず、従来の異物分析に関する研究のまとめとして、赤外分光法及びラマン分光法を用いた木材中接着剤の検出・識別について感度と確度の向上、そして測定の簡便化・迅速化を試み一定の成果をあげることができた。 初年度で重点的に行った研究は以下の2つである。ひとつは保存処理や塗装などによってヒ素、クロム、鉛等の有害元素が含有された木材の識別であり、もうひとつはCCAに替わる木材保存剤として注目されているホウ素化合物の検出である。前者については、蛍光X線、粒子線励起X線(PIXE)法によって分析を行った。分析の対象とした試料は主に建築廃木材であるが、CCA処理木材についても検討を行った。通常の蛍光X線分析ではCCA処理木材中のヒ素、クロム、銅は明確に分析でき、CCA木材の識別には有用であることがわかったが、一般の廃木材では数種類の元素が検出できたに止まった。一方、PIXE法では廃木材について二十数種類の元素を確認できた。ヒ素はCCA処理木材以外では検出されなかったが、クロム、マンガン、鉛等は通常の廃木材でも検出することができ、木材中の有害微量元素分析法として有用であることがわかった。 後者については、主にラマン分光法と即発ガンマ線分析(PGA)法を用いて検討を行った。ホウ酸溶液で処理した木材試験片についてラマン測定を行い、ラマン分光法は木材中ホウ素化学種の同定と分布を調べるのに有効な手法であることを明らかにした。また、PGA法を用いることにより、湿式操作を経なくとも木材中のppm程度の微量ホウ素の定量が可能であり、この手法が木材中ホウ素の挙動を追跡する上で有用な分析法であることを示した。 このほか、熱処理などによって変性した木材の成分を異物と見なしてラマン分光法によって検出し、変性の進行度を判定する分析法も考案した。
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Research Products
(2 results)