2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550149
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 暢文 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (60313293)
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Keywords | シトクロムP450 / 共鳴ラマンスペクトル / 酸化還元電位 / 直接電気化学 / 部位特異的変異 / タンパク質固定化法 / サイクリックボルタンメトリー / 電気化学的触媒反応 |
Research Abstract |
電極上にタンパク質のフィルムを作製することで、タンパク質の電気化学的応答が得られるという報告が数多くなされるようになってきた。その方法の一つである界面活性剤であるジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)との混合溶液を電極上へキャストする方法により、シトクロムP450の酸化還元応答が得られることはわかっていた。しかし、触媒電流が観測されないことの理由が明らかではなかった。そこで、電極上のフィルム中でタンパク質がどのような構造になっているか検討することとした。DDABにシトクロムP450を加えて作製したフィルムについて、実際の電極上にフィルムを作製し、共鳴ラマン分光法を用いて調べた。その結果、補酵素であるヘムがポリペプチドから放出された状態であることを明らかとし、基質の電気化学的触媒反応が観測されなかった理由を解明することに成功した。一方、レイヤー-バイ-レイヤー法により、PFC電極上にポリエチレンイミンを用いて作製したフィルム中では、シトクロムP450の構造は維持され、基質であるラウリックアシッドの結合も観測されることを明らかにし、電気化学的触媒活性が観測されることと対応付けることができた。 また、ヘム近傍の残基に変異を導入することにより、酸化還元電位を調節することが可能であることを確かめるため、活性中心ヘムの第5配位子であるCys317近傍に位置しているPhe310とAla320を、それぞれAlaとGlnに置換したF310A変異体、A320Q変異体及びF310A/A320Q変異体を作製した。これらの変異体の酸化還元電位を、ジチオナイトを還元剤として用いて算出した。野生型と比較して、Phe310に変異を導入した2つの変異体の酸化還元電位が、正側に約40mVシフトすることが判明し、310の位置のアミノ酸が酸化還元電位の制御に重要であることを明らかに出来た。
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Research Products
(10 results)
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[Book] 生命元素事典2006
Author(s)
桜井 弘
Total Pages
440
Publisher
オーム社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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