2006 Fiscal Year Annual Research Report
キシロース環反転型分子ペンチを利用した新規糖鎖レセプターセンサーの開発
Project/Area Number |
17550151
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯浅 英哉 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (90261156)
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Keywords | 超分子化学 / 分子デバイス / 分子機械 / ナノバイオ / 合成化学 / オリゴ糖 / 生体分子 / 糖化学 |
Research Abstract |
細胞表面糖鎖を認識して侵入する病原体が知られているが、この糖鎖レセプターを検出するセンサーは感染症の診断薬として期待される。一方、申請者はピラノースの環反転を利用した分子ペンチを開発しており、アーム部が金属イオンにキレート結合してペンチが閉じることによりエキシマー蛍光を発する金属イオンセンサーを合成した。アーム部に特定の糖鎖構造を付ければ、糖鎖レセプターの二つの認識サイトあるいはサブサイトにキレート結合することによりエキシマー蛍光を発する分子ペンチ型のセンサーを構築できるものと期待される。安価なレクチンに対するセンサーをモデル化合物としていくつか合成し、アッセイすることにより、センサー設計の最適化を行なうことが本研究の目的である。その結果、2,4-ジアミノキシロースのアミノ基にピレニルメチル基を導入したプロトン選択的センサーの開発に成功した。キシロースの2,4-位にピレニルメチル基やナフタレンメチル基を導入し、1,3-位にスペーサーを介して糖を導入し、レクチンセンサーの開発を行った。ピレニルメチル基を導入したレクチンセンサーでは、水溶液中でエキシマー蛍光を示すが、マンノース認識レクチンであるコンカナバリンAを添加すると、エキシマー蛍光が消失し、モノマー蛍光が出現するというセンサー機能を示した。一方、ナフチルメチル基を導入したレクチンセンサーは、実用的な蛍光変化を示さなかった。以上より、レクチンセンサーの今後の展望として、ピレニルメチル基を蛍光基として用いることが必須であることがわかった。
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Research Products
(4 results)