2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体中で安定な^<11>C含有PETトレーサー合成のための高速C-メチル化反応の開発
Project/Area Number |
17550152
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細谷 孝充 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (60273124)
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Keywords | 陽電子放射断層画像撮影法 / Stille反応 / 高速メチル化反応 / PETトレーサー / ^<11>C |
Research Abstract |
ヘテロ環上にメチル基を有する薬剤などの生物活性物質は数多く知られている。そこで我々は、これらの化合物への[^<11>C]メチル基の導入によるPET(陽電子放射断層画像撮影法)トレーサー化を目的に、ヨウ化メチルを大過剰のヘテロアリールトリブチルスタナンにより捕捉するStille型高速カップリング反応(5分以内で終了)を検討した。本反応は、ヨウ化メチルのフェニルトリブチルスタナンによる捕捉反応と同様に、sp^2-sp^3炭素間でのカップリング反応の範疇に入るが、当初の検討段階においてsp^2(phenyl)-sp^3炭素間高速カップリングにおける最適条件を適用しようとしても不十分であることが分かった。その後様々な条件検討を行った結果、種々のヘテロアリールトリブチルスタナンを基質にしても本反応が収率よく進行する反応条件を見出すことに成功した(未発表)。今後、本研究により確立された反応条件の活用による、メチル基を有するヘテロ芳香族関連の代謝安定な創薬・診断PETトレーサーの創製が期待される。一方、上記反応の応用展開の一例として、GSK-3β(glycogen synthase kinase-3β)阻害能を有するPETトレーサー開発に着手した。GSK-3βは、アルツハイマー病やパーキンソン病などの脳の老化に伴う神経変成疾患の発症に関与が示唆されている酵素であり、これを標的としたPETトレーサーはこれら疾患の診断薬になりうる。本研究では、インドール環上にメチル基を有するGSK-3β阻害剤候補化合物の非放射標識体を合成した。今後、酵素活性の測定およびトリブチルスズ前駆体の合成を行った後、実際のPETトレーサー合成を試みる予定である。
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Research Products
(4 results)