2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550155
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
依馬 正 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20263626)
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Keywords | 酵素 / 生体触媒 / エナンチオ選択性 / 制御 / 変異 / アルコール / 進化 |
Research Abstract |
(1)遺伝子組換え大腸菌を用いたケトンの不斉還元 クロピドグレルは血小板凝集阻害活性を有しており、血栓によって引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の再発予防薬として世界中で使用されている。最新のデータによると、プラビックス(クロピドグレル硫酸塩の商品名)は、年間売上高が64億ドルであり世界第2位にランクされている。一方、前年度までに、幅広い範囲の基質ケトンに対して高いエナンチオ選択性を示すカルボニル還元酵素を高発現する遺伝子組換え大腸菌を構築することに成功しているが、今回、この大腸菌を用いてクロピドグレルの合成中間体アルコールを高光学純度かつ高効率に不斉合成することに成功した。最適化された反応条件下では、1.0M(198g/L)という高い基質濃度でもケトンの不斉還元反応が進行し、99%の変換率、89%の単離収率、>99%eeの光学純度で目的の光学活性アルコールを得ることができた。 (2)カルボニル還元酵素の単結晶作製に向けた実験 N末端側及びC末端側にヒスチジンタグを有するカルボニル還元酵素の発現プラスミドを構築し、その遺伝子を大腸菌にて発現させた。電気泳動と活性測定にてカルボニル還元酵素の発現量を調べたところ、C末端側にヒスチジンタグを有するものの方が優れた結果を与えた。酵素の精製ならびに単結晶の作製は今後行う予定である。 (3)リパーゼ反応を経由した光学活性ポルフィリン二量体の合成とその機能 リパーゼ反応により得た光学的に純粋なポルフィリンアルコールをイソフタル酸で連結し二量体とし、その亜鉛ポルフィリンの不斉識別機能を調査した。NMRにおいて極微量のエナンチオマーを高感度に検出できるキラルシフト試薬としての能力を見出した。
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Research Products
(1 results)