2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼを網羅的に検出する抗体の作製と機能プロテオミクス研究への応用
Project/Area Number |
17550157
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
亀下 勇 香川大学, 農学部, 教授 (60127941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 紀行 香川大学, 農学部, 助教授 (90346635)
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Keywords | プロテインキナーゼ / プロテオーム / モノクローナル抗体 / バイオテクノロジー / シグナル伝達 |
Research Abstract |
平成17年度に、チロシンキナーゼを検出する網羅的抗体の取得に成功し、セリン・スレオニンキナーゼを検出する抗体とあわせて、プロテインキナーゼ(PK)を網羅的に検出するツールがそろったので、本年度はそれらを用いた応用研究を行った。 1.網羅的抗体を用いたPKの発現プロファイリング解析:PKの発現パターン解析に通常の二次元電気泳動法を用いたところ、高分子量のPKの検出が困難であることが判明したので、改良法を検討した。その結果、一次元目の泳動法としてミクロロトフォアを用いると、高分子量のPKも含めた多くのPKを同時に検出できることを見出した。発現プロファイル解析の応用例として、糖尿病モデル細胞であるラットインスリノーマ細胞を様々な糖濃度下に培養し、インスリン分泌とプロテインキナーゼ発現の関連を詳細に調べた。その結果、インスリン分泌の誘導される糖の添加により顕著に発現が促進される約60kDaのPKと、さらに高い糖添加によりインスリン分泌が抑制される際に発現する約200kDaの新規PKを見出した。これらの酵素のうち60kDaの分子については、カルモジュリンキナーゼであることを確認した。 2.キノコの生活環とPK発現解析:キノコが菌糸体から子実体に分化する過程で、どのようなPKがその制御に関与しているのかについて、ほとんど研究されていない。そこで本研究においては、網羅的抗体を用いることにより、Coprinus cinereus(ウシグソヒトヨタケ)の発達過程で発現するPKについてウエスタンブロットによる発現解析を行った。その結果、菌糸体や早期の子実体において様々なPKが発現していることを確認した。特に、その時期に2種類のカルモジュリンキナーゼ(65kDaと46kDa)の顕著な発現が見られたので、これらの酵素の遺伝子クローニングを行い、その分子的な性質を明らかにした。
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Research Products
(7 results)