2005 Fiscal Year Annual Research Report
低次元構造半導体を用いた新奇薄膜電界効果トランジスタ形成に関する研究
Project/Area Number |
17550165
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
上野 啓司 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40223482)
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Keywords | 薄膜トランジスタ / 電界効果トランジスタ / フレキシブル素子 / 有機高分子ポリマー / 無機層状物質 / 異方的重合制御 / 単結晶有機FET / インプリンティング |
Research Abstract |
本研究では,「柔軟性」と「高機能性」を併せ持つ薄膜トランジスタを,有機高分子ポリマーや無機層状構造半導体といった,構造に「異方性」をもつ低次元物質を用いて開発することを目標とし実験を行う。本年度は以下の成果が得られた。 (1)異方的テンプレート構造を持つゲートSiO_x層形成手法の最適化 超高真空下での通電加熱,ステップバンチと表面酸化によるSiO_xテンプレート構造の形成機構を解析し,表面構造の再現性向上に成功した。 (2)ジアセチレン誘導体化合物配向膜形成手法の確立 導電性共役ポリマーとしてジアセチレン誘導体化合物ポリマーに着目し,真空蒸着法によって面内単一配向のmmスケール巨大ドメインを清浄化したSi(111)基板上に成長することに成功した。 (3)ジアセチレン化合物配向膜の異方的重合による長距離無欠陥π電子系ネットワークの形成 (2)で形成した単一配向ジアセチレン誘導体ドメインの光重合により,π共役系が1方向に揃った巨大ドメインの形成に成功した。 (4)ゲート絶縁体としてとして利用可能な層状物質の検討 絶縁性が高い層状ケイ酸塩化合物の単結晶として白雲母単結晶に着目し,その劈開面上に真空蒸着によってペンタセンおよびC_<60>薄膜をエピタキシャル成長し,白雲母をゲート誘電体とする薄膜FETの作製に成功した。 (5)アモルファス基板表面上へのテンプレート構造転写 陽極酸化法により形成したTa_2O_5皮膜や熱酸化SiO_xといった平坦な基板表面にPMMA高分子薄膜をスピンコートし,さらに(1)で作製したステップバンチSi(111)テンプレート基板を鋳型として用いるインプリンティング法を適用することによって,アモルファスな基板表面に秩序性の高いnmスケールの周期的段差構造を転写することに成功した。
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Research Products
(3 results)