2006 Fiscal Year Annual Research Report
低次元構造半導体を用いた新奇薄膜電界効果トランジスタ形成に関する研究
Project/Area Number |
17550165
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
上野 啓司 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (40223482)
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Keywords | 薄膜トランジスタ / 電界効果トランジスタ / フレキシブル素子 / 有機高分子ポリマー / 無機層状物質 / 異方的重合制御 / 単結晶有機FET / 単層剥離 |
Research Abstract |
本研究では,「柔軟性」と「高機能性」を併せ持つ薄膜トランジスタを,有機高分子ポリマーや無機層状構造半導体といった,構造に「異方性」をもつ低次元物質を用いて開発することを目標とし実験を行う。本年度は以下の成果が得られた。 (1)異方構造を持つ熱酸化SiO_x基板上への面内高配向ポリチオフェン誘導体ポリマー薄膜形成 Si(111)微傾斜表面を超高真空下で加熱清浄化し表面に1次元周期構造を形成し,その上にポリチオフェン誘導体ポリマー薄膜を水面上から転写した。薄膜内のポリマー鎖の異方性を偏光X線吸収縮近傍微細構造分光法により測定したところ,1次元周期構造に沿って高度に配向したポリマー鎖の形成が確認された。 (2)異方構造を持つ熱酸化SiO_x基板上へのC_<60>ドメイン位置選択形成 (1)と同様な表面異方構造をもつSi(111)テンプレート基板にPMMA(Polymethylmethacrylate)薄膜をコートし,さらに溶媒で洗浄することにより,周期構造の凹部にだけPMMAを残存させることに成功した。その上にC_<60>薄膜を成長したところ,PMMAが残存する凹部の上に,選択的にC_<60>ドメインが形成され,ドメイン成長位置制御への応用可能性が示唆された。 (3)白雲母単結晶ゲート基板上での有機FET動作特性改善 劈開した白雲母をゲート基板とする有機FETは,清浄劈開面上に直接形成した場合は移動度などの動作特性がかなり低かったが,界面にPMMAあるいはOTMS(octadecyltrimethxysilane)薄膜を挟むことにより,動作特性が大幅に改善された。 (4)層状化合物MOS_2の単層剥離手法の追求 層状化合物をフレキシブル素子に応用するためには層状物質薄膜を簡便に成長することが必要であるが,その前段階として,層状化合物半導体MOS_2にLiをインターカレートし,水と反応させることで水素を発生させ層間を剥離し,単層化することに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] In-situ measurement of molecular orientation of the pentacene ultrathin films grown on SiO_2 substrates2006
Author(s)
G.Yoshikawa, T.Miyader, R.Onoki, K.Ueno, I.Nakai, S.Entani, S.Ikeda, D.Guo, M.Kiguchi, H.Kondoh, T.Ohta, K.Saiki
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Journal Title
Surf. Sci. 600
Pages: 2518-2522
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[Journal Article] Anisotropic Polymerization of a Long-chain Diacetylene Derivative Langmuir-Blodgett Film on a Step-bunched siO_2/Si Surface2006
Author(s)
R.Onoki, G.Yoshikawa, S.Ikeda, S.Entani, T.Miyadera, I.Nakai, M.Kiguchi, K.Ueno, H.Nakahara, H.Kondoh, T.Ohta, K.Saiki
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Journal Title
Langmuir 22
Pages: 5742-5747