2005 Fiscal Year Annual Research Report
二次電池用リチウム貯蔵合金の創製とガスデポジション法を用いる新規電極作製法の開発
Project/Area Number |
17550167
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 鳥取大学, 工学部, 教授 (00202086)
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Keywords | リチウム貯蔵合金 / リチウム二次電池 / 負極材料 / ガスデポジション法 / Mg_2Ge |
Research Abstract |
金属間化合物はリチウム二次電池の代替負極材料として有望であるが,これを実用化するには充放電サイクル安定性の乏しさを改善する必要がある.われわれが注目してきたMg_2Geにも同様の問題がある.この問題は電極の作製方法を工夫することで解決できると考えた.活物質粒子同士や粒子と集電体とを強固に結着させることが期待できるガスデポジション(GD)法に着目し,この手法を用いて銅箔上にMg_2Geを形成させた電極を作製した.この電極の負極特性を,特に高率充放電性に着目して評価した. 減圧したチャンバー内に設置したCu箔基板上にGD法によりMg_2Ge厚膜を析出させた.このとき,ArガスとMg_2Ge粉末とを導管中でエアロゾル化させノズルから噴出させた.充放電試験は,三極式セルを用いて行った.試験極にはMg_2Ge-GD膜を使用し,対極および参照極にはLi板を,電解液には1MLiClO_4/PCを用いた.電位幅は対リチウム参照極電位0.005〜2.0Vとした. Mg_2Ge-GD膜(膜厚3〜5μm)電極の第一サイクルにおける充放電曲線より,この電極の充放電プロファイルおよび容量可逆性はバルク状電極(Mg_2Ge粉末を銅網に圧着して作製)のそれとほぼ一致しており,両者の電極反応に違いがないことがわかった.他方,サイクル数の増加に伴う放電容量維持率の変化を見てみると,GD膜電極は200サイクル後においても第一サイクルの約35%の維持率を示し,バルク状電極と比較して著しいサイクル特性の改善が認められた.また,高率充放電性を評価したところ,この電極は1〜3 A g^<-1>の非常に高い電流密度での充放電が可能であることが示された.なお,得られたデータを基にエネルギー密度および出力密度を試算したところ,市販の電池と比較してエネルギー密度ではやや劣るものの出力密度においては格段に優れていることがわかった.
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Research Products
(5 results)